IHクッキングヒーターとケトル

IHクッキングヒーターとガスコンロどっちを選ぶ?光熱費や使い勝手を徹底比較

2022.02.25

キッチンのリフォームで「次もガスコンロにしようか?これを機にIHクッキングヒーター(以下「IH」という)に替えようか?」と迷っている方は多いのではないでしょうか。それぞれ光熱費や使い勝手など違うので、特徴をしっかり把握したうえで選びたいですよね。そこで今回はIHとガスコンロのメリットとデメリットを徹底比較してみたいと思います。

1.IHとガスコンロの光熱費は?

まずは気になる光熱費ですが、結論からいうとIHのほうがお得。なぜならガスコンロに比べると、IHは熱効率が高くムダが少ないからです。

ガスコンロの熱効率:約45%
IHの熱効率:約90%

ガスコンロは熱効率があまりよくなく、約半分の熱が逃げてしまいます。ガスコンロでの調理中にキッチンが暑くなってしまうのも、熱が逃げているのが原因の1つです。
一方、IHは鍋自体を発熱させるしくみなので、熱のロスがほとんどありません。実際にお湯が沸く時間もIHのほうが短い時間で沸かすことができるので、その分光熱費は安くなります。

出典:横浜国立大学、実調理研究結果(2004年)を基に試算。
※単価:エネルギー単価は2014年家庭用エネルギーハンドブック、(財)省エネルギーセンター発刊 家庭用エネルギー価格(全国)2012年データより。
※機種や使用実態により、実際の経済効果とは異なる場合があります。

2.IHのメリット

メリット1:火を使わない安心感

IHは火を使わないので、火災や火傷のリスクが圧倒的に少なくなります。周囲に燃え移ったり、袖口のもらい火で火傷をしたりする心配がありません。高齢の方にも安心してお使いいただけます。

メリット2:フラットでお掃除カンタン

そしてIHはなんといってもお掃除がラク。五徳などの凸凹がなく、天板がフラットなのでサッと拭くだけでキレイになります。ガスコンロのお掃除が面倒でついつい汚れを放置していた方も、IHならお手入れのストレスを軽減することができます。

メリット3:夏場もキッチンが快適

IHは電流を流すことで鍋自体が発熱するしくみです。周囲に熱がほとんど逃げないので、ガスコンロと違ってキッチンが暑くなりにくいというメリットも。夏場も快適に料理を楽しめるようになります。

メリット4:便利な機能が満載

IHにはもっと料理が楽しくなるような便利機能も満載です。たとえば機種によってはボタンひとつで温度を細かく設定して、天ぷらをカラっと揚げたり、卵焼きを焦がさずふんわりと焼き上げたりする機能があります。タイマー設定や吹きこぼれ防止機能で、弱火でコトコト煮込んでいる間にキッチンを離れることができる場合も。高火力でお湯もスピーディーに沸かせるので、時短や省エネにもなります。

3.IHのデメリット

デメリット1:IH対応の調理器具が必要

IHは電気を流して発熱するしくみなので、従来のアルミや銅、土鍋など使えない素材もあります。ガスコンロからIHに取替える際は、底面に金属をコーティングしたIH対応の鍋かどうか確認しましょう。ふだんから使い慣れた鍋をそのまま使いたいという方は、アルミや銅などすべての金属鍋を使える「オールメタル加熱」のIHを選ぶのもひとつの手です。

デメリット2:停電時は使えない

IHだとガスコンロと違って停電中は利用できません。万が一のために、カセットコンロなど停電時に使えるものを準備しておくと安心です。またオール電化の場合、太陽光発電や蓄電池、V2Hなどを備えて停電に強い家にすることもできます。

デメリット3:直感的に使いづらい

IHは火が見えないので、慣れないうちは使いづらいことも。ただし以前は「IHは加熱されているかわかりにくい」とも言われていましたが、最近の機種は赤いライトが点くなど、一目で火力がわかるよう工夫されていることもあります。
またIHは鍋ふりできないイメージがあるかもしれませんが、最近は鍋ふりOKな機種も。一度鍋やフライパンをコンロから離しても、再びのせたときに素早く温度復帰できるようになっています。

4.ガスコンロのメリット

メリット1:火で調理できる

ガスコンロ最大のメリットは、火の強さが目で見てわかるところ。直感的に料理できるので使いやすいという方も多いでしょう。またフライパンをコンロから離して“あおる”などの調理ができるのもメリットです。

メリット2:停電しても使用できる

現在、多くのガスコンロは乾電池で点火するしくみなので、停電中も使うことができます。災害による急な停電や長時間の計画停電でも、お湯が沸かせたりご飯が炊けたりと大活躍です。

メリット3:お手持ちの調理器具が使える

ガスコンロは火で直接熱するので、鉄やステンレス、ホーロー、アルミ、土鍋など、様々な素材の鍋やフライパンが使えます。お気に入りの鍋で料理を楽しめ、無理な買い替えの必要がありません。

5.ガスコンロのデメリット

デメリット1:火傷や火災の危険性

最近はすべてのガスコンロにSiセンサーという安全装置がついており、消し忘れなどのうっかりミスはずいぶんと防げるようになりました。それでも火を使うため、周辺のビニール袋や布巾、衣類の袖口などに燃え移ってしまう危険はあります。特に小さいお子さまや高齢の方がいるご家庭では注意が必要です。

デメリット2:キッチンが暑くなる

夏場にガスコンロを使うと、キッチンが暑くなってしまうのも大きなデメリット。火を使っているので扇風機を回すわけにもいかず、汗だくで料理している方も多いのではないでしょうか。オープンなキッチンの場合はリビングやダイニングまでお部屋の温度が上がることもあるので、エアコンの効きが悪くなり、電気代が高くなってしまうこともあります。

デメリット3:お掃除が大変

昔に比べるとガスコンロも清掃性は上がっていますが、五徳など構造が複雑なところはお掃除しにくくなりがちです。火が当たるので焦げつきもできやすく、キレイな状態を保つにはこまめなお手入れが欠かせません。汚れたまま放置して焦げつきがひどくなってしまうと、つけ置きや煮沸をしたりゴシゴシこすったりと、非常に手間がかかります。

6.IH・ガスコンロの交換を成功させるポイント

ガスコンロにするかIHにするか迷うところと思いますが、そんな時はライフスタイルをイメージして選ぶのが成功のポイントです。
コンロの交換時期がきているということは、キッチン全体もリフォーム時期がきている可能性も考えられます。汚れた壁や床を張り替えたり、システムキッチンごと交換したり、他の箇所のリフォームも検討されるとよいでしょう。バラバラに修理交換するよりも、なるべくまとめてリフォームしたほうがトータルの金額的に安くなることが多いです。
またIHとセットで、ガス給湯器から電気でお湯を沸かすエコキュートへの交換を検討できるタイミング。オール電化にすることで、光熱費をさらに安くできる可能性があります。

8.まとめ

ガスコンロとIHを比べると、IHのほうが光熱費はかかりません。使い慣れたガスコンロがよいのか、掃除しやすく安全性も高いIHがよいのか、どちらがライフスタイルに合うのかイメージしてみましょう。また同じIH、ガスコンロでも商品によって機能が違うため、色々なメーカーの商品を見てみるのもよいでしょう。
リフォーム会社を選ぶなら、様々なメーカーの商品の取り扱いがあって、キッチン全体のリフォームにも対応できるリフォーム会社がおすすめ。まずはお近くの店舗に足を運んで、実際にIHやガスコンロを見て触れてみると使い勝手をイメージしやすいでしょう。

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