1. リフォームではどんな契約を結ぶの?
リフォーム工事が始まる前にリフォーム会社との間で取り交わすのが、契約書(注文書・請書)です。工事期間、請負金額、内訳、支払い方法などが記されており、お互いの取引成立の意思を形として残します。
事前にリフォーム会社から受け取った見積書の内容に納得したら、注文書・請書の作成へ。注文書の内容に問題がなければサインと捺印をして、リフォーム会社に渡します。同様の内容が記載された請書がリフォーム会社から発行されるので、大切に保管しておきましょう。注文書を提出した時点ではまだ契約は成立しておらず、リフォーム会社から請書が提出された時点で契約締結となります。
契約書には見積書にはない情報も明記されているので、必ず取り交わしましょう。リフォーム会社によって書類の形式は異なりますが、小規模なリフォームであっても口約束でなく、必ず書面を交わすことが重要です。
2. リフォームの契約前のチェックポイント
契約書を取り交わして契約締結する前に、次のようなポイントをしっかりと確認しましょう。
2-1. 工事内容が合っているか
まずは工事の内容を、図面や仕様書などと照らし合わせながらチェックします。希望の内容は反映されているか、使用する商品は間違っていないかなどよく確認しましょう。見積書にも明細内容が書かれているので、その内容が不明瞭だったり理解できなかったりする場合は、必ず担当者に質問します。「〇〇工事一式」などとまとめて表現されている場合、何が含まれているのか事前に確認することで、追加請求やトラブルを防ぐことができます。
2-2. 契約書と見積書の金額が合っているか
リフォームでは何度も打ち合わせをするうちに、途中で工事内容や商品が変わることがよくあります。最初の見積書と、最終的な金額が変わることも多いので、必ず最新の見積書を出してもらい、契約書に記載された契約金額と合っているか確認しましょう。またリフォームでは追加費用が発生することも少なくないため、どこまでが契約金額に含まれるのか、どうなったら追加費用が発生するのかを聞いておくことも大切です。
2-3. 支払い条件はどうなっているか
リフォーム費用は一括で支払う場合と、分割で支払う場合があります。注文書にサインをする前に、支払いのタイミングと金額をチェックしておきましょう。支払いのタイミングは、契約時・着工時・引渡時などが一般的です。
2-4. 工事開始予定日と完了予定日は明記されているか
いつ工事がはじまり、いつ頃終わる予定なのか、日付を確認することも大切です。リフォーム工期は天候や建物の状況に左右されることもあるので、余裕をもった日付が記されているはずです。追加工事が発生すると工期も延びるので、そのときは改めて書面にて契約を交わしましょう。
2-5. 万が一の保証や損害金はどうなっているか
契約書には記載しきれない、より詳細な項目は「工事請負契約約款」に記載されています。工事が遅れたときの損害金、契約内容と異なる場合の保証、キャンセル料金など大切なことが書いてあるので要確認です。小さな文字なのでスルーしがちですが、一通り目を通しておきましょう。
3. リフォームを成功させる契約のポイント
3-1. 打ち合わせ記録簿を活用する
リフォームでは何度も打ち合わせを繰り返すことが少なくありません。リフォーム会社とお客様の間での思い違いや認識のズレを防ぐには、打ち合わせ記録簿の活用がおすすめです。打ち合わせで話した内容、選んだ型番などをリフォーム会社が記録しているので、その記録簿を必ず一部もらって内容を確認しておきましょう。
3-2. 工事内容変更合意書を交わす
リフォーム内容、材料、金額などに変更が生じたら、「工事内容変更合意書」を取り交わします。こちらも口約束でなく書面で変更内容を確認することで、トラブル防止につながるでしょう。
3-3. クーリングオフについて知っておく
クーリングオフとは、契約日から8日以内(書面の契約日を1日目とする)であれば契約解除できる制度のこと。訪問販売や電話勧誘販売など一定の条件はあるのですべてのケースで使えるとは限りませんが、こういう制度もあると頭に入れておくと、万が一のときに助けになります。
4. まとめ
リフォームにおいて、契約書をよく読み内容を理解しておくことはとても重要です。小規模なリフォームやちょっとした変更であれば、つい口約束で済ませたくなりますが、リフォーム会社との合意内容をはっきりと契約書に残しておくと、安心して進めることができます。契約前には希望する内容がきちんと盛り込まれているのか、念入りにチェックをしましょう。もし不安な点があれば、遠慮せず担当者に尋ねて、疑問が解消された状態で契約を交わすことが大切です。