1. 格安リフォームの理由を知ろう
同じリフォーム内容で、相場から大きくかけ離れた格安価格というのは、基本的に存在しません。本来かかるはずの費用を下回るような金額が掲載されていたり、税抜き価格で安く見せていたりするケースもあるため注意しましょう。格安リフォームのよくある理由は次のとおりです。
1-1. 理由1:選べる商品が限られている
格安リフォームでは、オプションを排除したシンプルな仕様になっていることが少なくありません。例えばサイズが限定されていたり、必要な機能がついていなかったり、色や素材が選べなかったりするのです。安価な仕様しか選べなかったり、オプションを制限して大量発注をすることで商品の仕入れ値を安く抑えたりすることで、安い価格設定につながります。
また、型落ち品などのアウトレット品を、処分価格で提供しているケースもあります。自分の希望に合った商品が安くなっている場合は問題ありませんが、商品の選択肢が少ないことで希望するリフォームとかけ離れる可能性があるので気をつけましょう。
1-2. 理由2:極端に工期を短縮している
価格を抑えるため、極端に工期を短縮しているパターンも見られます。人件費の削減を優先するあまり、丁寧な施工が期待できないケースも。手抜きやトラブルにつながるリスクもあるので注意が必要です。複数見積りをとる際は、併せて工期も確認しましょう。もし極端に短い工期を提示した先があったら、理由を聞くなど注意しながら対応する必要があります。
1-3. 理由3:工事代が価格に含まれていない
システムキッチンやトイレなど設備の商品代のみが掲載されており、それを設置するための工事費用が価格に含まれていないケースもあります。この場合、実際リフォームするとなると工事費用がプラスされるため、最終的な見積りは他社と変わらないか、むしろ高くなることもあるでしょう。
また標準工事しか価格に含まれておらず、古い設備の撤去費用や廃棄費用、配管工事などの費用が別途かかる場合もあります。2階以上の場合や奥まった場所に運び込む場合、運搬費が上乗せとなることも少なくありません。標準工事の内容はリフォーム会社によって異なるため、事前にどこまでが標準工事に含まれるのか、別途かかる費用はないのか確認しましょう。
2. 格安リフォームで失敗しないための注意点
2-1. 追加費用が発生しないか確認する
リフォームでは、解体してみるまで分からない老朽化や不具合により、追加費用が発生することがあります。そうした可能性があれば、きちんと事前に説明してもらいましょう。見積りの内訳や、安くなっている理由についても、気になることがあれば説明してもらうことが大切です。
2-2. 信頼できるリフォーム会社に依頼する
メリハリをつけたコストダウンと、ただ安いだけで満足度の低い格安リフォームとは、まったく異なるものです。料金の安さのみを基準にリフォーム会社を選ぶのは、賢い選択とはいえないでしょう。根拠が明確な説明をしてくれたり、質問に対して誠実な対応をしてくれたりする、信頼できるリフォーム会社を見極め、適正価格で質の高いリフォームを依頼することが大切です。
3. 満足度の高いリフォームを安く実現するコツ
3-1. 水まわりはまとめてリフォームする
キッチンや浴室、トイレ、洗面所など、水まわり工事は同時にリフォームすると、トータルで費用を抑えられます。水まわりリフォームで必要になる配管工事や、壁や床の撤去などをまとめて行うことで、効率よく工事を進められるからです。一度にまとめてリフォームするのが難しい場合でも、浴室と洗面所のように近い場所だけでも同時にリフォームすると経済的です。
3-2. 予算のかけ方にメリハリをつける
システムキッチンやトイレなどは、シンプルな商品を選ぶと大きな節約になります。ただし何でもグレードを下げればいいというものではなく、家族が生活するうえで必要な機能はきちんと確保することが大切です。例えば値引率の高いベーシックなシステムキッチンを選ぶが、食洗機はつけるなど、メリハリのきいた選択をするとよいでしょう。
4. まとめ
ただ価格が安いというだけでリフォーム会社を決めるのは危険です。なるべく費用を抑えながら、満足度の高いリフォームを実現するには、メリハリが大切です。こだわりたい部分には十分な予算を投じながら、優先度の低い部分はコストカットするという柔軟な発想をもってリフォームを進めるとよいでしょう。高品質とリーズナブルな価格のバランスがとれるリフォーム会社を選ぶことが、後悔のないリフォームへの近道です。