1. 廊下のバリアフリーリフォーム
加齢による身体機能の低下を考慮したリフォームは将来の備えとしても重要で、早めの対策が転倒事故を防ぎます。高齢者だけでなく、すべての家族にとって使いやすく安全な住環境を実現するためのポイントです。バリアフリーリフォームでは、介護保険や各種補助金を使えることもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
1-1. 段差解消
廊下と部屋との段差は転倒の原因となるため、可能な限り解消することが望ましいです。段差を解消するには、廊下の床のかさ上げ、敷居の撤去や交換、スロープ設置などのリフォーム方法があります。特に和室との境目など、段差が大きい箇所は優先的に対策しましょう。
1-2. 手すりの設置
住む人の使いやすい高さ、位置に手すりを設置することで、移動時の安定性が格段に向上します。今は手すりが必要ないという場合でも、壁の中に下地を入れておくと将来スムーズに設置できるため、リフォームの際に検討するとよいでしょう。
1-3. 廊下幅の拡張
車いすを使用する場合、廊下幅は80〜90cmが目安です。車いすを使わなくても、介護する人とされる人が並んで歩ける廊下幅があるとより安心です。間取りの変更が必要になる場合もありますが、長期的な視点で考えると価値のある投資となります。

2. 廊下の床材リフォーム
古くなった廊下の床材を新しいものに張り替えることで、デザインを一新できます。床材選びでは、滑りにくさや掃除のしやすさなどを考慮することが大切です。近年はペットの足腰に優しく、爪による傷を防止できる床材も多く登場しています。家族構成やライフスタイルに合わせた素材選びをしましょう。

3. 廊下の照明リフォーム
廊下が暗いと不安感や事故の原因につながります。適切な照明リフォームで明るさを確保し、安心して歩ける廊下をつくりましょう。
3-1. センサーライト
廊下にセンサーライトを設置すると、夜間にトイレに行くときも安全に移動できます。人の動きを感知して自動的に点灯するため、スイッチを探す手間がなく便利です。足元を照らすフットライトだけでなく、スイッチ自体が光るタイプや、上部から照らすセンサーライトもあり、用途に応じて選べます。
3-2. 間接照明
壁や天井からの反射光で柔らかな明かりを確保する間接照明は、おしゃれな雰囲気を演出しながら機能性も高めます。眩しさを抑えながら安全性を確保できるため、特に寝室に近い廊下などでは重宝するでしょう。

4. 廊下の収納リフォーム
リビングや玄関の収納不足を補うために、廊下を収納スペースとして活用することもおすすめです。例えば、壁面に天井いっぱいの棚を設けることで、本や掃除道具などの収納場所を確保できます。また、壁にオープン収納を取り付けてディスプレイスペースにすれば、単なる通路でしかなかった廊下が、ギャラリーのような魅力的な空間に変わります。

5. まとめ
廊下リフォームで最優先したいのは安全性です。しかし、デザイン性や将来性も考慮し、バランスの取れた計画が成功の鍵となります。バリアフリー化を希望しているなら、福祉住環境コーディネーターの有資格者がいるリフォーム会社に相談するのもおすすめ。予算や身体状況をふまえたアドバイスをしてもらえます。廊下は毎日必ず通る場所だからこそ、長期的な視点で計画しましょう。