戸建て住宅の給湯器

高効率給湯器とは?光熱費を節約できる給湯器の種類やリフォーム方法

2023.06.29

電気代とともに高騰しているガス代。毎月の請求額を見て、あまりの高さに驚いている方も多いのではないでしょうか。ガス代を節約するには、冷たい水で食器を洗う、お風呂で使うお湯をなるべく減らすなどさまざまな方法がありますが、毎日節約を意識して暮らすのはストレスになることも。そこでおすすめしたいのが、高効率給湯器に交換するリフォームです。古い給湯器からエネルギー効率のいい給湯器に交換すれば、いつも通りにお湯を使いながら毎月の光熱費を削減できるかもしれません。今回は節約につながる高効率給湯器の種類やリフォームのポイントなどを解説します。

1. 高効率給湯器とは?

家庭で使うエネルギーのうち、約3割を占めるのが給湯エネルギーです。(※1)お風呂の湯はりや追い焚きをしたり、キッチンの洗い物でお湯を使ったりと、日々生活するなかで意外と大きなエネルギーを消費しています。

そこで光熱費の節約に役立つのが高効率給湯器。従来のガス給湯器と比べて、少ないエネルギーで効率よくお湯を沸かせる給湯器です。同じ量のお湯を沸かしても、従来のガス給湯器と比べてガスや電気の使用量を抑えられるので、ストレスなく光熱費を節約できます。

※1エネルギー白書2022「2020年度の世帯あたりのエネルギー消費原単位と用途別エネルギー消費の推移」より、冷房2.4%、暖房25.1%、給湯27.8%、ちゅう房10.7%、動力・照明他34.0%。
参考:https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/pdf/2_1.pdf

2. 高効率給湯器は大きく分けて4種類

高効率給湯器は「エコキュート・エコジョーズ・エネファーム・ハイブリッド給湯器」の大きく分けて4種類。それぞれお湯を沸かす仕組みが違い、どれを選ぶかで導入コストや設置スペースなども変わってきます。それぞれの違いをよく知って、ご家庭に合う商品を選びましょう。

2-1. エコキュート

エコキュートとは、電気を使うタイプの高効率給湯器です。空気中の熱と少量の電気を使って沸かしたお湯を、貯湯タンクに貯めて使います。夜のうちにまとめてお湯を沸かしておくことで、日中に比べて割安な夜間電力を使えるため、とても節約効果の高い商品です。

エコキュートで気になるのが、貯湯タンク内のお湯を使い切ってしまう「お湯切れ」です。しかし多くのエコキュートには、過去の使用湯量を学習してちょうどいい量のお湯を沸かす機能や、お湯が不足しそうなときに沸き増しする機能がついているので、よほどのことがない限りお湯切れの心配はありません。頻繁に沸き増しするとエネルギー効率が悪いので、家族構成や生活スタイルに合わせたタンク容量を選ぶことが大切です。

エコキュートのタンク容量 家族人数の目安
370L 2〜4人
460L 4〜6人
550L 6人以上

エコキュートのタンク容量 家族人数の目安
370L 2〜4人
460L 4〜6人
550L 6人以上

2-2. エコジョーズ

エコジョーズとは、ガスを使うタイプの高効率給湯器です。従来のガス給湯器で捨てられていた排気熱を再利用することで、少量のガスで効率よくお湯を沸かすことができます。お湯を使うときにその都度沸かす仕組みなので、お湯切れの心配はありません。

エコジョーズでは、従来のガス給湯器と比べてガス使用量を約15%カットでき(※2)、ガス代が年間18,100円お得になるという試算もあります。(※3)(2023年4月現在)同居人数の多いご家庭や、1日に何度もお風呂に入る方など、使用湯量の多い方ほど削減できるガス代も大きくなるでしょう。

エコジョーズの号数 家族人数の目安
16号 1人
20号 2人
24号 2〜4人

エコジョーズの号数 家族人数の目安
16号 1人
20号 2人
24号 2〜4人
※2 Rinnaiの従来品RUF-V2400AW[5W(BC-60V2接続時)とエコジョーズRUF-E2405W(A)[0.9W] とを比較した場合
※3 年間給湯負荷18.3GJ(給湯16.6GM、追い焚き1.7GJ)、ガス料金はLPガス5.1円/MJで試算した場合
参考:https://rinnai.jp/products/waterheater/gas/what/ecoj/

2-3. エネファーム

エネファームとは、都市ガスやLPガスから電気をつくりだす家庭用燃料電池です。電気をつくるときに発生する熱を活用して、電気といっしょにお湯もつくることができます。ガス代は増えますが、電気代が減ることで、トータルの光熱費が下がります。

エネファームで沸かしたお湯は貯湯タンクに貯めて使うので、広めの設置スペースが必要になります。また導入コストはエコキュートやエコジョーズに比べて高めです。

エネファームのメリットは、災害時の備えになること。停電時に電力を確保し、貯湯タンク内のお湯も使うことができます。

2-4. ハイブリッド給湯器

ハイブリッド給湯器とは、エコキュートとエコジョーズの利点を組み合わせた高効率給湯器です。エコキュートと同じように電気でお湯を沸かし、貯湯タンクのお湯を使い切ったらガスを使ってすばやく必要な分のお湯を沸かします。

ハイブリッドという言葉のとおり、効率よくお湯を沸かせる電気の良さと、短時間でお湯を沸かせるガスの良さを組み合わせた給湯器です。ただしエコキュートやエコジョーズに比べて、初期費用が高額になります。

3. 高効率給湯器リフォームで光熱費を節約するポイント

従来のガス給湯器から使い方を大きく変えたくない場合は、ガスで効率よくお湯を沸かすエコジョーズがおすすめです。貯湯タンク不要でサイズ感もほとんど変わらないので、マンションなど敷地制限がある家でも設置しやすいでしょう。

エコジョーズよりも光熱費削減効果が高いといわれているのは、割安な夜間電力でお湯を沸かすエコキュートです。IHクッキングヒーターなどを同時に取り入れてオール電化にすると、ガスの契約も不要になります。

エコキュートを設置するなら、いっしょに太陽光発電を導入するのもおすすめです。エコキュート向けの夜間電力が安いプランには「昼間の電気料金が高い」という弱点がありますが、昼間は太陽光発電の電気を使うことでその弱点をカバーできます。

4. まとめ

高効率給湯器を導入するには交換費用がかかるものの、毎月の光熱費をぐんと節約することができます。古い給湯器を使っていると、余計な光熱費がかかることもあるので、給湯器の寿命である10年前後を目安に交換を検討しましょう。

高効率給湯器への交換は省エネに関するリフォームとして補助金が使えるケースもあるので、詳しいリフォーム会社や家電量販店に相談するのがおすすめです。生活スタイルに合った高効率給湯器の種類や、太陽光発電やオール電化住宅との組み合わせなどもアドバイスをもらうとよいでしょう。

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