1. リフォームには「商品の保証」と「工事の保証」がある
リフォームの保証は、大きく分けて「商品の保証」と「工事の保証」の2種類があります。基本的に商品の保証はメーカー、工事の保証はリフォーム会社が担う仕組みです。
例えば、新しく設置したシステムキッチン本体に初期不良があってガスコンロの火がつきにくいといった場合、商品の不具合としてメーカーによる修理対象となる可能性があります。一方、排水管の勾配がとれておらずうまく水が流れない場合など、工事に問題があった場合は、リフォーム会社による保証となる可能性が高いです。
ただし、リフォーム会社によっては、商品と工事のどちらも保証してくれることも。商品の不具合でもリフォーム会社がメーカーとの調整を含めて対応してくれるので、何かあったら一つの窓口で対応してもらえる安心感があります。リフォーム会社を選ぶときは、商品と工事の保証がどのように提供されるのか、事前に確認しましょう。
2. 商品のメーカー保証は1〜5年程度
システムキッチン、トイレ、電気など設備機器にはメーカー保証がついており、期間内であれば修理をしてもらえます。メーカー保証は1〜5年程度のものが多く、有償で保証延長ができるメーカーもあります。メーカーごとに保証期間や内容は異なるので事前に確認が必要です。
メーカー保証は初期不良や自然故障などに対応する最低限のものです。保証が切れたあとに不具合が発生することも少なくないため、メーカー保証だけに頼るのではなく、必要に応じて延長保証やリフォーム会社独自の保証なども検討するのがおすすめです。
商品の種類 | メーカー保証の目安 |
---|---|
システムバス | 2〜5年程度 |
システムキッチン | 1〜5年程度 |
トイレ | 1〜5年程度 |
水栓金具 | 2年程度 |
電気・ガス機器 | 1年程度 |
商品の種類 | メーカー保証の目安 |
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システムバス | 2〜5年程度 |
システムキッチン | 1〜5年程度 |
トイレ | 1〜5年程度 |
水栓金具 | 2年程度 |
電気・ガス機器 | 1年程度 |
3. 工事の契約不適合責任(瑕疵)はリフォーム会社が保証する
工事の保証については、リフォーム会社が責任を負います。この責任の内容について、2020年4月の民法改正で大きな変更がありました。かつての「瑕疵担保責任」から、消費者に分かりやすい「契約不適合責任」という言葉に変わったのです。単なる名称変更ではなく、保証される範囲も広がりました。
契約不適合責任を分かりやすくいうと、「契約した内容と違うものが納品された場合、リフォーム会社に責任がある」ということです。雨漏りや水漏れなどの重大な欠陥だけでなく、「水まわり設備の配水管のつまりによる排水不良での逆流」なども契約不適合として扱われ、リフォーム会社は修理などの対応をすることになります。
契約不適合責任で保証される期間は、原則として「不適合を知ってから1年以内」です。ただし、信頼関係構築やトラブル回避のため、あらかじめ契約書で「引き渡しから2年」など明確に期間を決める場合もあります。保証期間や内容について事前にリフォーム会社と話し合い、契約書の内容をよく確認しましょう。
4. 契約前に保証期間やアフターサービスの内容をチェックしよう
商品については通常のメーカー保証に加えて、10年程度の延長保証を設けているリフォーム会社もあります。延長保証とは、メーカー保証期間が終了した後も、リフォーム会社が独自に保証を提供するものです。
例えば、メーカー保証が2年ある商品に対して「延長保証10年」と表記されている場合、実際の保証期間は「2年(メーカー保証)+8年(リフォーム会社の保証)=合計10年の保証」となります。
この延長保証は、元々リフォーム費用に含まれている場合と、別途料金を支払う場合があります。修理回数は何回か、修理限度額はいくらまでなのかも、あわせて確認しておきましょう。
また、規模の大きなリフォーム会社の場合、延長保証に加えて24時間365日受付のコールセンター、救急駆けつけサービスなどを用意していることもあります。水漏れやトイレの詰まりの応急処置をしてもらえたり、鍵をなくしたときに開錠に駆けつけてもらえたりと、対応できるトラブル内容はリフォーム会社によってさまざまです。
5. まとめ
リフォーム会社を選ぶときは、保証やアフターサービスの内容も大切なポイントです。保証制度が手厚いリフォーム会社を選べば、万が一不具合が起きても十分なサポートが受けられます。
保証内容は契約書に記載されているので、契約前に必ず内容を確認しておきましょう。商品の保証と工事保証の違い、保証期間、アフターサービスの内容などをよく理解した上で契約をすると、安心してリフォームを進めることができます。