リフォームした浴室のイメージ

浴室リフォームで知っておきたいユニットバスの断熱と保温のポイントを解説

2026.09.30

お風呂は毎日使う場所だからこそ、お湯の冷めやすさや浴室の寒さが気になることがあります。家族の入浴時間がバラバラで、次の人が入るころにはお湯がぬるくなり、1日に何度も追い焚きをしているご家庭もあるでしょう。

また、冬場は浴室に入った瞬間や、洗い場で体を洗っているときの寒さに困ることも。お風呂は一日の疲れを取る場所だからこそ、暖かく快適に使いたいものです。

そこで注目したいのが、お湯を冷めにくくする「高断熱浴槽」と、浴室全体の熱を逃がしにくくする「浴室丸ごと保温」です。今回は、それぞれの特徴やメリット、浴室リフォームで確認したいポイントを解説します。

1. お風呂のお湯が冷めやすい原因

お風呂のお湯は、浴槽の表面から熱が逃げるだけでなく、浴槽下や周りの冷たい空気の影響でも少しずつ冷めていきます。保温性の低い浴槽の場合、ためたお湯の熱が外へ逃げやすく、時間が経つほど湯温が下がりやすくなります。

とくに冬場は浴室自体が冷えやすいため、よりお湯が冷めやすく感じることもあるでしょう。浴室の壁や床、窓まわりが冷えていると、お湯との温度差が大きくなり、入浴中や入浴前後の寒さにつながります。

家族の入浴時間がバラバラなご家庭では、最初に入った人と最後に入る人の間隔が空きやすくなります。そのたびに追い焚きや差し湯をすると、光熱費も気になるところです。浴室リフォームを検討する際は、『浴槽のお湯を保温する機能』と、『浴室の冷えを抑える機能』の両方を知っておきましょう。

2. 高断熱浴槽とは?特徴とメリット

高断熱浴槽とは、浴槽のまわりを発泡スチロールなどの断熱材で包み、保温性を高めた浴槽のことです。保温仕様の風呂フタを組み合わせることで、浴槽内にためたお湯を冷めにくくします。

JIS(日本産業規格)では、「一定の条件下(※)で浴槽に約40℃のお湯を張ってフタをし、4時間後の湯温の低下が2.5℃以内」という保温性能の基準があり、この条件を満たした商品が「高断熱浴槽」として販売されています。

参考/JISC 日本産業標準調査会|JIS検索
※ユニットバス周囲温度10℃・浴槽湯量は深さ70%・フタを閉めた状態での測定値

関連記事:高断熱浴槽とは?暖かく入浴できるシステムバスにリフォームしよう

2-1. 浴槽とフタでお湯の熱を逃がしにくくする

一般的な浴槽では、浴槽の側面や下部、湯面から熱が逃げていきます。高断熱浴槽は、浴槽の側面や底から逃げる熱を断熱材で抑え、湯面から逃げる熱を保温仕様の風呂フタで抑える仕組みです。実際にTOTOの断熱材なしの従来品は2時間で湯温が2.5℃下がったのに比べると、高断熱浴槽の保温時間は約2倍となっています。

2-2. 追い焚き回数を減らしやすい

高断熱浴槽なら、少し時間をおいて入っても湯温が保たれるため、浴前にお湯を温め直す回数を減らしやすくなります。追い焚きにはガスや電気を使うため、回数が減ればその分、光熱費の節約にもつながります。資源エネルギー庁のシミュレーションによると、1日1回の追い焚きをなくすことで、年間で約6,190円の節約(※)になるとされています。

参考/資源エネルギー庁|無理のない省エネ節約
※2時間放置して4.5℃下がったお湯200Lを追い焚きする場合。ガス代は162円/m3で試算。

2-3. 家族の入浴時間がバラバラでも使いやすい

「お父さんの帰りが遅い」「子どもは部活や塾で帰宅時間がバラバラ」「家事が一段落してから自分はゆっくり入りたい」など、家族がそれぞれのタイミングでお風呂に入るご家庭も多いのではないでしょうか。

高断熱浴槽は一般的な浴槽よりお湯が冷めにくいため、入浴の間隔が数時間空いても、最後に入る人まで温かいお湯に入りやすくなります。「自分が入るころにはぬるい」「そのたびに追い焚き」といったことが起こりにくいのが魅力です。

入浴のタイミングを家族で無理に合わせる必要もないので、「早くお風呂に入って!」というイライラから解放されます。家族の入浴時間がバラバラで、最後の人のお湯のぬるさや追い焚きの多さに心当たりのあるご家庭こそ、浴室リフォームの際に高断熱浴槽を候補に入れてみてください。

3. 浴室丸ごと保温とは?特徴とメリット

浴室丸ごと保温とは、浴槽だけでなく、浴室全体の暖かさを保ちやすくする機能です。壁・天井・床などに断熱材を使い、外からの冷気や浴室内の熱の逃げを抑えます。高断熱浴槽が「お湯を冷めにくくする」機能であるのに対し、浴室丸ごと保温は「浴室空間を冷えにくくする」機能です。

関連記事:浴室リフォームで水道光熱費を節約!システムバス選びのポイント

3-1. 浴室全体の暖かい状態が続く

戸建ての浴室は外気に接する面が多く、冬場は冷えやすい傾向があります。とくにタイル張りの在来浴室は、床や壁そのものが冷たく、浴室全体が寒くなりがちです。

浴室丸ごと保温は、壁・天井・床まわりに断熱材を入れることで、外からの冷気の影響を抑え、浴室内の熱を逃がしにくくします。TOTOの比較試験でも、天井・壁・床すべてに断熱材を入れた浴室は、床のみ断熱した浴室に比べて、約3℃も高い室温を保てました。浴室の寒さは、浴槽のリフォームだけでは解決しにくいため、浴室全体の断熱性を確認しておくことが大切です。

3-2. 浴室に入ったときのヒヤッと感を抑えやすい

冬場の浴室で気になりやすいのが、服を脱いで浴室へ入った瞬間のヒヤッとする寒さです。浴室丸ごと保温で浴室内の温度が下がりにくくなると、こうした入室時のヒヤッと感がやわらぎます。とくに、素足が最初に触れる床が冷たくないだけでも、入った瞬間の印象は大きく変わるでしょう。

浴室と居室の大きな温度差は、「ヒートショック」の一因にもなります。ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動したり、冷えた体で熱いお湯につかったりしたときに、急激な温度変化で血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかることです。浴室と居室の温度差を小さく保てる浴室丸ごと保温は、こうしたヒートショック対策の面でも役立つ機能といえるでしょう。

ただし、浴室丸ごと保温は、浴室を素早く暖める機能ではありません。入浴前から浴室をしっかりと暖めておきたい場合は、浴室暖房乾燥機との組み合わせもおすすめです。保温機能と暖房機能を組み合わせることで、冬場でもより快適に入浴時間を楽しめます。

3-3. 冬場の入浴を快適にしやすい

お湯につかっている間は温かくても、湯船から出て体や頭を洗っている間に寒さを感じると、せっかくのお風呂も心地よさが半減してしまいます。浴室丸ごと保温なら、浴室全体の冷えを抑えられるため、洗っている間も寒さを感じにくく、冬でも快適に入浴しやすくなります。

とくに、温度差による負担が心配な高齢の方や、小さなお子さまがいるご家庭では検討したい機能です。浴室の寒さがやわらげば、「寒いからお風呂が億劫」という気持ちも軽くなるでしょう。毎日使う場所だからこそ、冬場の暖かさと快適さにこだわった浴室リフォームがおすすめです。

4. 高断熱浴槽・浴室丸ごと保温が向いているご家庭

高断熱浴槽が向いているのは、家族の入浴時間がバラバラで、浴槽のお湯がぬるくなりやすいご家庭です。「入るたびに追い焚きしている」「追い焚きの光熱費が気になる」という場合も、お湯の冷めにくい高断熱浴槽が向いています。

浴室丸ごと保温が向いているのは、冬場の浴室の寒さや、床・壁の冷たさが気になるご家庭です。タイル張りの浴室や、浴室自体が古いお住まいはとくに冷えやすいため、浴室全体の断熱性を高める効果を感じやすいでしょう。高齢の方や小さなお子さまがいて、温度差が心配なご家庭にも向いています。

お湯の冷めにくさを重視するなら高断熱浴槽、浴室に入ったときの寒さを抑えたいなら浴室丸ごと保温、と悩みに合わせて選ぶのが基本です。「お湯も冷めやすいし浴室も寒い」という場合は、両方を組み合わせると、暖かく使いやすい浴室になります。

5. 浴室リフォームで確認したいポイント

高断熱浴槽や浴室丸ごと保温は、メーカーや商品グレードによって、標準仕様かオプションかが異なります。選ぶシリーズやプランによっても断熱の範囲や風呂フタの仕様が変わるため、事前の確認が大切です。

また、カタログの保温性能は、あくまで一定の試験条件による数値です。実際の体感は、浴室の広さ・窓の有無・外気に接する面・地域の気候・家族の入浴時間などによって変わります。

具体的に確認しておきたいのは、次のポイントです。

・浴槽まわりの断熱材と風呂フタ:断熱材がどこまで入っているか。保温フタがセットになっているか。
・壁・天井・床の断熱範囲:どこまで断熱するかで浴室の暖かさが変わります。とくに床の冷たさ対策は、入った瞬間の体感に大きく影響します。
・窓まわりの寒さ対策:窓は熱が逃げやすい場所。内窓や断熱サッシもあわせて検討しましょう。
・浴室暖房乾燥機の設置条件:電源や設置スペースなどの条件を確認しておきましょう。

リフォーム会社に相談するときは、「最後に入るとお湯がぬるい」「冬場の浴室が寒い」「床が冷たい」「追い焚きの回数を減らしたい」など、いま困っていることを具体的に伝えるのがコツです。悩みが具体的なほど、住まいの状況に合った機能を提案してもらいやすくなります。

6. まとめ

高断熱浴槽は、浴槽まわりの断熱材と保温仕様の風呂フタによって、浴槽のお湯を冷めにくくする機能です。家族の入浴時間がバラバラなご家庭や、追い焚きの回数を減らしたい方に向いています。

浴室丸ごと保温は、壁・天井・床などに断熱材を使い、浴室空間そのものを冷えにくくする機能です。浴室に入ったときのヒヤッと感を抑え、ヒートショック対策にもつながります。

高断熱浴槽と浴室丸ごと保温は、どちらも浴室を快適にする機能ですが、役割は異なります。お湯の冷めやすさが気になるのか、浴室全体の寒さが気になるのかを整理したうえで、住まいに合う機能を選びましょう。

お湯がすぐ冷める、浴室が寒い、追い焚きが増えていると感じている方は、浴室リフォームの際に高断熱浴槽や浴室丸ごと保温を検討してみてはいかがでしょうか。

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