1. スイッチ・コンセントをリフォームするタイミング
スイッチやコンセントの取り替え時期は、約10年が目安といわれています。「カバーの変色や破損で見た目が悪い」「コンセントへのプラグの抜き差しがゆるくなってきた」など気になるところがあれば、取り替えを検討するタイミングです。古くなったスイッチやコンセントを使い続けると、事故につながる恐れもあるので、早めに点検や交換されるとよいでしょう。
また新築時にコンセントを多めにつくったつもりでも、時代の流れとともに家電が増えてコンセントが足りなくなってくることもあります。コンセントが足りないときに延長コードは便利ですが、正しく使わないと危険なこともあるので注意が必要です。
延長コードには安全に使える電気容量の上限として「合計1,500Wまで」のような記載があり、その容量をオーバーして使うと発熱や発火につながることがあります。電子レンジや炊飯器のような消費電力が大きい家電をいくつもつないだり、タコ足配線だったりするとオーバーしやすいので注意しましょう。
延長コードのごちゃつきやタコ足配線を改善するには、コンセントの増設リフォームがおすすめです。
2. 便利機能のあるスイッチにリフォームする
リビングや廊下、トイレなど、家の中のさまざまな場所にある照明のスイッチ。経年による劣化でスイッチが押しづらくなったり、プレートの変色や割れが発生したりすることがあるでしょう。そんなときは傷んだプレートを交換するだけでなく、便利機能のあるスイッチに交換するのもおすすめです。
2-1. ワイドスイッチ
昔ながらのスイッチは、ボタンが小さくお子様や高齢の方が押しづらいことも。Panasonicのほたるスイッチやコスモスイッチのように押す部分が大きいスイッチに交換すると、軽い力でオンオフしやすくなります。
2-2. 自動点灯スイッチ
夜に帰宅したとき玄関が暗いと、玄関ドアの施錠・開錠も一苦労です。人感センサー付きの自動点灯スイッチなら、帰宅した人の動きに反応してパッと点灯。明るい玄関で鍵を探したり、靴を脱いだりできます。また不審者が近づいたときも自動で照らすため、防犯対策にもつながるといわれています。
また自動点灯スイッチは、廊下にもおすすめ。ドアを開けて廊下に出たときに自動で明るくなるので、夜に暗い廊下で照明のスイッチを探さずに済みます。しばらく時間が経つと自動で照明が消えるので、節電対策にも役立つでしょう。
2-3. 調光スイッチ
リビングや寝室などにおすすめなのが、0〜100%まで明るさを調整できる調光スイッチです。勉強や仕事をするときは明るく、寝る前のリラックスタイムは暗めにと、お部屋での過ごし方に合わせて照明の明るさを調整することができます。
3. コンセントの種類一覧
コンセントにもさまざまな種類があるので、使う予定の家電に合わせたタイプに交換するとよいでしょう。
住宅でよく目にするのは、2口のダブルコンセント。そのまま新しいダブルコンセントに変更してもよいですが、3口のトリプルコンセントへと差し込み口を増やす方法もあります。
洗面所やキッチン、トイレなど、湿気や水気の多い場所では感電防止のため、アース付きコンセントが使われます。またテレビやインターネット、電話を利用するなら、それぞれ専用のコンセントが必要です。それぞれ単独で配置することもありますが、一つにまとめて配線できるマルチメディアコンセントもテレビの近くなどでよく採用されます。
通常のコンセント | |
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・よく設置されるのが2口のダブルコンセント ・シングルコンセント(1口)や、トリプルコンセント(3口)もある |
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アース付きコンセント | |
・洗濯機や電子レンジ、温水洗浄式便座など ・水がかかりやすい場所で感電を防ぐために使われる |
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マルチメディアコンセント | |
・テレビコンセントやインターネットの有線LAN、電話回線などが一つにまとまっている |
通常のコンセント |
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・よく設置されるのが2口のダブルコンセント ・シングルコンセント(1口)や、トリプルコンセント(3口)もある |
アース付きコンセント |
・洗濯機や電子レンジ、温水洗浄式便座など ・水がかかりやすい場所で感電を防ぐために使われる |
マルチメディアコンセント |
・テレビコンセントやインターネットの有線LAN、電話回線などが一つにまとまっている |
4. コンセントを増設するのにおすすめの場所
コンセントについてよくあるのが「必要な場所にコンセントがない」という悩み。家電が増えたり在宅ワークが始まったりして、必要なコンセントが増えた場合は、コンセントの増設を検討されるとよいでしょう。
コンセントを増やすときに注意したいのは電気容量です。コンセントを増やして、使う電気容量が大きく増えた結果、ブレーカーが落ちやすくなってしまうケースもあります。
コンセントを増やすときは「一つの回路に消費電力が集中しないか?」「電力会社との契約アンペア数を増やしたほうがよいか?」などリフォーム会社と相談しましょう。
4-1. 寝室のベッド周辺
寝室のベッド周辺にコンセントがあると、寝る前のスマートフォンの充電に便利です。USBコンセントなら電源アダプターなしで充電することもできます。またベッド周辺のコンセントは、枕元に電気スタンドを置いたり、布団乾燥機や加湿器を使ったりするときにも役立つでしょう。
4-2. スタディスペースのデスク周辺
最近人気が高まっているのは、リビングや階段ホールなどにスタディスペースがある間取り。在宅ワークや勉強などに活躍します。
スタディスペースを新たにつくるときは、カウンターデスクや収納を造作して、周りにコンセントを増設すると便利です。パソコンやプリンターなどデスク周りで使う機器はたくさんあるので、多めのコンセントをつくるとよいでしょう。
4-3. キッチンの背面や調理台周辺
キッチンではコンセントを一箇所にまとめず、背面側や調理台側など分散させると使いやすくなります。
背面側でメインとして使う家電は、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、オーブントースターなど。プラグを挿したままにする家電も多いので、コーヒーメーカーや電気ケトルなどを使う場合は、その分のコンセントも確保しましょう。
そして背面だけでなく調理台側にもコンセントがあると、ミキサーやブレンダーなどを使うのに便利です。床の近くのコンセントよりも、調理台と同じくらいの高さにコンセントがあった方が使いやすいかもしれません。
コンセントをつくりたい場所の近くに、キッチンの入り口や収納棚、冷蔵庫などの扉があるときは、扉とコンセントが干渉しないか確認しましょう。場所を考えないと、コンセントやプラグが邪魔で扉が開かなくなることもあります。
4-4. テレビボード周辺
テレビ裏はタコ足配線になりがちで、ホコリもたまりやすい場所。テレビやレコーダー、オーディオ、ゲームなど家電が多いので、コンセント増設などで延長コードを減らすと少しすっきりするかもしれません。
テレビボードとマルチコンセントの位置や高さが違うと、コンセントやコードや丸見えで雑然としてしまうことも。テレビボードの裏側に隠れる場所にコンセントを移設すると、きれいに仕上がります。壁掛けテレビにしたいなら、下地補強をした上で、配線を隠せる位置にコンセントをリフォームするのがおすすめです。
またほとんどの住宅では、リビングの壁にテレビ用コンセントがあります。寝室や子供部屋にテレビを置きたい場合は、テレビ用コンセントを増やすリフォームを検討されるのもよいかもしれません。
4-5. 洗面脱衣所
意外とコンセントが不足しがちなのが洗面脱衣所。お風呂上がりに夏は扇風機や送風機、冬はヒーターなどを使うため、コンセントが多めにあると便利です。
また洗面台の周りでは、電動歯ブラシの充電やドライヤー、電動シェーバーなどを使えるコンセントがあるとよいでしょう。ドライヤーやヒーターは消費電力が大きいので、電気容量に注意が必要です。
5. まとめ
スイッチやコンセントを暮らしに合わせてリフォームすることで、暮らしやすさがぐっと向上することがあります。「欲しい場所にコンセントがない」「スイッチが押しづらい」など使い勝手の悪さを感じているときや、スイッチやコンセントの劣化が気になるときは、リフォームを検討してみましょう。
注意したいのは、スイッチやコンセントには電気が流れているということ。自己判断で触るのは危険なこともあり、電気工事には資格が必要です。スイッチやコンセントに関する悩みがあるときは、まずリフォーム会社に相談しましょう。