1. キッチンの吊戸棚が必要か考えてみよう
まずはリフォームを検討するにあたって、キッチンに吊戸棚がいるのか・いらないのかを考えることから始めましょう。最近はシステムキッチンの収納力が上がっており、キッチン本体や背面収納のみで収納スペースが足りることも。その場合は、吊戸棚をなくすという選択肢もあります。高所も使ってたっぷりと収納量を確保したいなら、吊戸棚をつけたほうがよいでしょう。
吊戸棚を手の届きにくい高さに設置するなら、昇降式の吊戸棚がおすすめ。必要なときだけ降ろして、物を出し入れすることができます。また仮置き棚や水切り棚として使える吊戸棚も販売されており、ライフスタイルに合わせた商品を選ぶことでさらにキッチンが便利になることもあります。
2. 昇降式の吊戸棚は電動・手動の2種類
2-1. 電動
電動の昇降式吊戸棚は、スイッチ一つで収納庫が昇降するタイプです。例えば棚が2つあるうち1つのみ電動のタイプや、棚全体が電動で降りてくるタイプなどが選べます。手動タイプに比べて価格は高くなりますが、手を高い位置に上げるのが辛い方も少ない負担で使えるでしょう。
2-2. 手動
手動の昇降式吊戸棚は、手でひっぱって棚を降ろすタイプです。重い物を入れた状態で動かすにはそれなりの力がいりますが、油圧やバネなどで必要な力が軽減される仕組みになっています。電動よりリーズナブルに設置できるのが大きなメリットです。
3. その他にもある!キッチン吊戸棚の便利機能
3-1. 仮置き棚・水切り棚
調理中は食材やボウル、お皿などでワークトップの上がいっぱいになりがち。仮置き棚のついた吊戸棚があれば、必要なときだけ降ろして一時的に物を置けるので、作業スペースが広く使えます。水切り棚として、洗った食器などを乾かすスペースにするのもよいでしょう。
3-2. 食器乾燥機能
電動タイプの昇降式吊戸棚には、食器乾燥機能がつけられる商品もあります。手元まで棚を降ろして、濡れた食器をセット。再びスイッチを押して棚を上げて、温風で手早く乾燥させます。水気を拭き取る手間が省けて衛生的。卓上型の食洗機や食器乾燥機を設置するスペースがないキッチンにもおすすめです。
3-3. 採光タイプ
大きな吊戸棚がほしいけれど、正面の窓にかぶって暗くなってしまうケースも。そんなときに検討したいのが、光を通す素材を使った採光タイプの吊戸棚です。窓をふさぐように設置しても、扉が光を通して明るいキッチンを実現できます。
3-4. 耐震ロック機能
吊戸棚は高い位置にあるので、地震の揺れで物が落ちてくると危険。耐震ロック付きの吊戸棚で地震対策すると安心です。地震の揺れを感知して扉が自動的にロックされ、物の落下や散乱を防ぎます。
3-5. ソフトクローズ扉
ソフトクローズとは、開き戸や引き戸がなめらかに静かに閉まる機能です。扉がバタンと閉まらず、調理中や食事中も快適です。
4. キッチンの吊戸棚を選ぶときのポイント
吊戸棚のサイズ(高さ)は「50cm/70cm/90cm」の3種類が一般的です。20年前は50cmのコンパクトな吊戸棚が主流でしたが、最近は手が届きやすい70cmを選ぶ方が増えました。
使う方の身長に合わせて、手の届きやすい高さに設定しましょう。逆に吊戸棚のサイズが大きすぎることで、背が高い人の頭にぶつかってしまうこともあります。
また正面に窓があるときは、干渉しないサイズを選ぶのがベターです。開き戸の場合は、扉を開いたときに照明などに接触しないかどうかも確認します。
5. まとめ
高いところにある吊戸棚を使いこなせていないなら、昇降式の吊戸棚へのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。いちいち踏み台を用意せずに物を出し入れできて、ご家族皆様が安心して使えます。収納量がぐんと増えるので、キッチンをすっきりと整理整頓しやすくなるでしょう。
ただし最近のシステムキッチンは収納力が大幅にアップしており、キッチン本体の収納だけで十分というケースもあります。まずはリフォーム会社に相談して、どのように使いやすいキッチンをつくっていけばいいか提案してもらいましょう。