1. 建築確認申請とは?
建築確認申請とは、計画している建物が建築基準法やその他各種条例に適合しているかどうかを審査する手続きのこと。建築主が「自治体」もしくは「指定確認検査機関」に申請しますが、「建築士」や「施工業者」が代行して行うことが一般的です。工事前に申請を行い、適合していると確認済証が交付され、工事をはじめることができます。
リフォームを計画する際には、早い段階で建築確認申請の必要性を確認しておくことをおすすめします。なぜなら、申請が必要な場合、建築士が資料をそろえて手続きをするのに費用や時間がかかるからです。また、建てた当初は建築基準法を満たしていても、法律が変わって適合しなくなった物件の場合、今の基準に合わせるために予想外のリフォーム費用がかかる可能性もあります。
2. 建築確認申請が必要なリフォーム
2-1. 防火・準防火地域外の10㎡を超える増築
増築をする場合、まずはリフォームする建物が立っている場所が、防火・準防火地域に該当するかどうかチェックしましょう。防火・準防火地域外であれば、10㎡を超える床面積の増築(※)を行う場合に、建築確認申請が必要となります。
2-2. 防火・準防火地域の増築
防火・準防火地域内では、増築(※)の面積に関わらず建築確認申請が必要です。これは、火災のリスクが高い地域での建築物の安全性を特に厳しくチェックするためです。お住まいの地域が防火・準防火地域に該当するかどうかは、各自治体のホームページなどで公開されている情報で確認できます。
※ 建築確認申請が必要となるのは増築だけでなく、改築や移転の場合も同様です。本文では増築を例に挙げていますが、改築や移転を行う場合も、同じ基準で建築確認申請の要否を判断する必要があります。
2-3. 木造三階建て以上・鉄骨二階建て以上などの大規模リフォーム
大規模リフォームの場合も建築確認申請が必要です。ここでいう大規模リフォームとは、主要構造部(屋根・壁・柱・梁・床・階段)の1つ以上を半分以上修繕・模様替えする工事を指します。このような大規模な工事は建物の構造に大きな影響を与える可能性があるため、安全性の確認が必要となります。
3. 建築確認申請が不要なリフォーム
3-1. 戸建て住宅の小規模なリフォーム
戸建て住宅の場合、建物の構造や安全性に大きな影響を与えない小規模な内部リフォームのみであれば、申請が不要とされています。なお、2025年4月の建築基準法改正後もこの点は変わりません。
(例)
・壁紙やフローリングの張り替え
・キッチン、システムバス、トイレ、洗面所の交換
・間仕切り壁の追加・撤去
・ドアの位置変更
・収納の追加
・屋根塗装、外壁塗装
3-2. マンションの専有部分のリフォーム
マンションで区分所有者が自由にリフォームできるのは専有部分のみ。基本的に主要構造部分はリフォームできないため、建築確認申請が不要です。ただし、マンションの場合は管理組合への工事申請が必要となります。
3-3. 減築や10㎡以下の増築
防火・準防火地域外で10㎡以下の小規模な増築の場合、建築確認申請は不要です。また、減築(建物の一部を取り壊すこと)は原則として申請不要です。
3-4. 木造二階建て・平屋の大規模リフォーム
これまでは木造二階建てや平屋の大規模リフォームは建築確認申請が不要でした。
ただし、2025年4月からは建築基準法改正により、木造二階建てや延べ床面積200㎡以下の平屋の大規模リフォーム(主要構造部である屋根・壁・柱・梁・床・階段の1つ以上を半分以上修繕・模様替えする工事)でも申請が必要になります。特に木造二階建てで、大掛かりな間取り変更を伴うような大規模リフォームを検討している方は注意が必要です。
4. まとめ
建築確認申請の必要性は、リフォームの規模や建物の構造、立地条件によって異なります。一般的に、内装や設備に関する小規模なリフォームであれば申請は不要ですが、増築や大規模リフォームでは申請が必要になる場合が多いので注意が必要です。
特に大規模なリフォームを計画する際は、建築士の資格を持ったリフォーム会社に相談することをおすすめします。プロのアドバイスを受けることで、法的な問題を回避し、安心してリフォームを進めることができます。
※本記事の情報は2024年9月時点のものです。2025年4月に建築基準法改正が予定されているため、最新の情報については関係機関にご確認ください。