リビングのソファで団らんする祖父母と3人の孫

リフォームの目的は?子育て、同居、老後…生活の変化による悩み解決方法

結婚や出産、子供の独立、親との同居、加齢といったライフステージの変化は、誰にでも訪れるものです。こだわって建てた家でも、家族構成や暮らし方が変わって、住みづらさや使いづらさを感じるようになることも。愛着のある我が家で快適に暮らしつづけるためには、ご家族のライフステージに合わせたリフォームが必要です。今回は生活の変化とともに出てきやすい住まいの悩みと、リフォームでの解決方法を具体的にご紹介します。

1. ライフステージが変わると住まいにも変化が必要

多くの方がマイホームを建てるのは、30代前後で結婚や出産をするタイミング。間取りや設備は、そのときの家事や子育てのしやすさを中心に考えて決める方が大半です。

その後、時がたつと子供が独立して夫婦2人の生活に戻ったり、高齢の親との同居が始まったりと、家族構成や暮らし方に変化がでてきます。そうすると当初は住みやすかった家も、水まわりの使い勝手の悪さなど色々な不満がでてくるように。体力や時間的なゆとりがあるうちに、老後をみすえたリフォームをと考える方も少なくありません。

また、年齢を重ねて足腰が弱くなったり体力が落ちたりすると、徐々に日常の動作や家事に不便を感じることもでてきます。

では、大切な家で30年、40年…と長期にわたって快適に暮らし続けるためには、どのようなリフォームが必要になってくるのでしょうか。

2. 家族が増えたときによくある住まいの悩み

出産や、高齢の親との同居などで家族が増えるときは、リフォームに最適なタイミング。生活動線が変わったり家事負担が増えたりするため、水まわりなどの使いづらさを感じることも。家族の人数に合わせた設備にリフォームすることで、笑顔でゆとりある暮らしができるでしょう。

2-1. シャワーの水圧が弱くなった

家族の人数が増えると、給湯器のパワー不足でシャワーの水圧が弱くなることがあります。1〜2人暮らしであれば一度に使うお湯の量は多くはありませんが、家族が増えるとキッチンやお風呂、洗面所など複数の箇所で同時にお湯を使うことがあるからです。

家族が増えたときには、人数に合わせた湯量をつくれる容量の大きな給湯器へ交換するのがおすすめ。給湯器の寿命は10〜15年程度といわれているので、特に永く給湯器をお使いの場合は交換を検討する良いタイミングです。

2-2. 光熱費が高くなった

家族が増えると、電気代やガス代は高くなりがち。特に最近は電気・ガス料金が値上げ傾向という背景もあって、家計への打撃は非常に大きくなっています。

そこでおすすめしたいのが、オール電化へのリフォーム。ガスコンロをIHクッキングヒーターに、ガス給湯器をエコキュートに入れ替えるなど、すべてのエネルギーを電気でまかなうことができます。オール電化住宅では、ガスの基本料金がかからず節約に。また夜間の安い電力をうまく活用して電気代を安くできるケースもあります。

さらに太陽光発電や蓄電池をあわせて導入すれば、電気を自給自足できてさらにおトク。台風や地震などの災害で長期的に停電したときには、非常用電源としても役立ちます。光熱費が高く困っている方は、どんな設備を組み合わせるとよいか、一度リフォーム会社に相談してみてはいかがでしょうか。

関連記事:太陽光システムは本当におトク?メリット・デメリットを解説

2-3. キッチンの使い勝手が悪い

築年数の古い住宅でよく採用されているのが、壁付け型のキッチンや、壁やドアで囲まれた個室タイプのキッチン。壁に向かって料理をするので、リビング側に目が届きにくいのが欠点です。

リフォームで対面キッチンに変更すると、リビングやダイニングを向いて作業でき、家族とのコミュニケーションがとりやすい間取りに。お孫さんやお子さんが遊びにきたときも、会話を楽しみながら料理ができます。明るく広くなったキッチンで、お孫さんといっしょに料理をするのも楽しいでしょう。

また、家族の人数が増えると、食器や調理器具も増えがち。収納力の高いシステムキッチンや背面収納を選ぶことで、すっきりと片付くおしゃれなLDKにすることも。

2-4. 洗面所のモノが多くて散らかる

家族の人数が増えると、洗面化粧台まわりに物があふれて雑然とした印象になってしまうことも。収納量の多い洗面化粧台に交換すると、たくさんの物をしまえて洗面化粧台まわりがすっきりと片付きます。

最近の洗面化粧台は、キャビネットに使い勝手のよい引き出し収納がついていたり、ミラーの裏にも小物がしまえたりと収納量たっぷり。デッドスペースになりがちな洗面化粧台の上や横にもキャビネットを組み合わせれば、タオルやストック品も使いやすく収納できます。家族みんなの持ち物を把握して、必要に応じた収納スペースを設けましょう。

3. 加齢とともにでてくる住まいの悩み

年齢を重ねると段々と家の中で不便に感じる部分がでてくることがあります。また両親や配偶者の介護が必要になり、使いやすく安全な家にしたいと思われる方も多いでしょう。いざケガや病気をしてからリフォームするより、体力があって時間的にもゆとりがあるうちに手を入れておくのがおすすめ。家を安全でキレイにしておけば、お孫さんやお子さんも気軽に遊びに来ることができます。

3-1. 足腰が弱くなり転倒の危険が

家の中で転倒事故が起こりやすいのは、つまずきやすい段差があるところや、腰を下ろす動作をするところ。例えばトイレや浴室の入り口、玄関の上がり框などです。

リフォームで手すりの設置や段差解消などを行えば、今後も安心して暮らせる住まいに。また早めのリフォームで日常の動作を補助できるようにしておくことは、健康で自立した生活につながります。身体の状態や間取りによって最適なリフォーム内容は変わるため、まずは気になることがでてきたらリフォーム会社にご相談ください。

3-2. 重いドアの開閉が大変に

長く使ってきた玄関ドアは、年齢を重ねるにつれ、動きが重く感じたり、開閉が大変になってくるという悩みも。また室内の軽量な開き戸も、開くときに一旦後ろに下がる必要があるため、体のバランスを崩して転倒してしまうこともあります。

開き戸は引き戸に交換すると、力の弱い方でも開閉の動作が楽に。閉まる直前にブレーキのかかるソフトクローズ機構付きなら、お孫さんも手を挟みにくくなります。浴室やトイレの入り口は幅を広くすると、車いすや介護が必要になってからも暮らしやすいでしょう。

3-3. お風呂の寒さがこたえる

タイル貼りの浴室は、足元がヒヤッとして冬場の入浴が億劫に。他のお部屋との温度差が大きくなり、ヒートショックで心筋梗塞や脳梗塞などにつながるリスクもあります。

そういった時にはシステムバスへ交換すると、寒い日の入浴も快適に。足を踏み出したときにヒヤッと感じにくい床もあり、さらに水はけのよい床は滑りにくく、カビも生えにくくなります。浴室暖房乾燥機・脱衣所暖房機を設置すれば、入浴前に浴室や脱衣所を暖めておくことができ、さらに快適に入浴できるでしょう。

「おばあちゃんの家のお風呂は寒くて苦手…」とお風呂に入らず帰宅していたお孫さんも、キレイで暖かいシステムバスなら楽しみにしてくれるかもしれませんね。

関連記事:入浴時のヒートショック 浴室暖房乾燥機・脱衣所暖房機の導入で対策を

3-4. キッチンでの火災が心配

誰しも年齢を重ねると、若い頃に比べて視力が落ちたりうっかりしたミスが増えたり、とっさの動きが間に合わなくなったりします。そこで心配になるのが、ガスコンロの消し忘れや、袖口への火の燃え移りといったキッチンでの事故です。

ガスコンロをIHクッキングヒーターに交換するリフォームを行うと、火傷の心配が少ないキッチンに。直火ではないので引火の心配がなく、各種センサーで消し忘れ・過熱・空焚きなどを防止できます。天板がフラットなので、掃除もサッと拭くだけで簡単です。

IHなら小さなお子さんでも使いやすいので、お孫さんにおばあちゃん直伝の料理を教えることもできるでしょう。

関連記事:IHクッキングヒーターとガスコンロどっちを選ぶ?光熱費や使い勝手を徹底比較

3-5. 体力が落ちて家事が億劫に

体力が落ちてくると、キッチンの洗い物や洗濯物がたまったり、掃除が行き届かなくなったりすることもでてきます。自立した暮らしを長くつづけるためにも、片付けや掃除が楽になるようにリフォームしておくのもおすすめです。

古いキッチンや浴室、トイレは汚れが落ちにくくなるので、新しい設備に交換して掃除の手間を最小限に。パントリーやクローゼットなどの大きな収納をつくることで、片付けや物を探す手間を省くことができます。

まとめ

「お風呂が寒い」「キッチンが使いづらい」など我慢しようと思えば我慢できる悩みも、日々積み重なっていくと大きなストレスや時間の無駄になってしまいます。我慢する暮らしをつづけず、ライフステージに合わせて適切なリフォームをしていくことで、健康やゆとりある暮らしにつながるでしょう。

また、キレイになった家なら、お孫さんや友人を気軽に呼べるのもうれしいところ。家事がしやすくなると家族に笑顔が増え、趣味の時間を充実させる余裕も生まれるでしょう。

ただし家族だけで話し合うと、適切なリフォーム方法を見つけるのは難しいことも。まずはリフォーム会社に相談してみると、潜在的な不満や悩みが具体化され、解決法も見えてくるでしょう。お住まいの近くのリフォーム会社なら、気軽に足を運びやすいのでおすすめです。

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