1. 在来工法とシステムバスの違い
1-1. 在来工法
在来工法とはオーダーメイドでつくる昔ながらの浴室のこと。躯体に防水加工を施して、床や壁にタイルなどを貼り、好みの浴槽や水栓を組み合わせてつくります。大きさや素材の自由度は高いのですが、床のタイルの目地が掃除しにくかったり、経年劣化で漏水リスクが高くなったりすることもあります。古くなった在来工法の浴室は、システムバスに変更するリフォームが一般的です。
1-2. システムバス
システムバスとは、工場であらかじめ床・壁・浴槽などのパーツを成型しておき、それらを現場に搬入して組み立てる浴室のこと。家という箱の中に、浴室というもう一つの箱を組み入れるようなイメージです。在来工法に比べて設置が簡単なので、工事にかかる期間が短く、リフォーム費用を安く抑えられる場合があります。
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2. 在来工法からシステムバスにリフォームするメリット
メリット1:断熱性が高く冬の入浴も暖かい
在来工法の浴室で寒さにお悩みの場合、断熱性や気密性が高い最新のシステムバスに変更することで、冷たさや寒さを感じにくく、冬も快適に入浴できるようになります。在来工法の床はタイルや石など、冷たさを感じやすい素材になっていることも多いため、熱伝導率の低い床材が使われたシステムバスを選ぶと、足元が冷えにくくなるでしょう。さらに浴室暖房乾燥機をつけると入浴前に浴室を暖めることができ、また、衣類の乾燥や換気にも使うことができます。
メリット2:掃除がしやすい床や壁
在来工法の浴室は、床や壁に使われているタイルの目地部分の汚れがとれにくく、掃除が大変なことも。長年使用しているうちに、水あかや汚れがますます落ちづらくなっている場合もあります。目地部分が少ないシステムバスにリフォームすれば、お掃除がぐんと楽。また床や壁に汚れのつきにくい特殊加工が施してあるものもあり、床の表面に水はけをよくする凹凸がついているシステムバスもあります。
※ご使用環境により水が残る場合もございます。
出典:TOCLAS YUNO
メリット3:お手入れしやすい排水口の構造
浴室で汚れやすい場所の一つが排水口です。髪の毛や皮脂汚れ、石鹸カスなどがたまって水が流れにくくなったり、ヌメリが気になったりすることもあります。そこで注目したいのが、排水口がお掃除しやすいよう工夫されている最新のシステムバスです。水流で自然とゴミがまとまって簡単に捨てられたり、掃除がしやすいシンプルな構造になっていたりします。
出典:LIXIL スパージュ
メリット4:自動洗浄機能がついた商品もある
さらに浴室のお掃除を楽にしたい方におすすめなのが、浴槽や床の自動洗浄機能がついた最新のシステムバスです。メーカーによっては、ボタンを押すと洗剤や水で洗い流したり、スマートフォンやスマートスピーカーからの遠隔操作で外出先からでも自動洗浄ができる商品もあります。浴室でかがんで浴槽や床を掃除する手間が軽減できるのはもちろん、転倒リスクも軽減できるので、バリアフリーの観点からも注目したい機能です。
出典:TOTO SYNLAカタログ
メリット5:転倒リスクが少ないバリアフリー設計
システムバスはほとんどのメーカーで滑りにくい床が採用されているので、転倒が心配なお子様や高齢者のいるご家庭にもおすすめです。また浴槽に入るときにまたぐ部分が低くなっていて、楽に浴槽に入れる設計になっている商品もあります。他にも手すりを設置したり、出入り口の段差をなくしたりと、希望に合わせたバリアフリー化ができるので、安全に配慮した浴室にリフォームすることもできます。
メリット6:水道光熱費が節約できる
ガス代や電気代、水道代など、月々の光熱費に頭を悩ませている方もいるかと思います。そこでおすすめしたいのが、保温効果の高い浴槽です。浴槽のお湯の温度が下がりにくくなることで、追い焚きやお湯を足す回数が減らせてガス代の節約に。オール電化の場合は、電気代の節約につながります。また節水タイプのシャワーを選べば、少ない水量でも勢いよく水が出るようになるので、水道代の節約に。手元にストップ機能がついたシャワーヘッドなら、こまめにお湯を止めることができます。
メリット7:予算に合わせてグレードを選べる
シンプルな機能のみのリーズナブルなシステムバスもありますが、メーカーによっては最新機能のついたハイグレードなシステムバスもあります。贅沢なバスタイムを過ごしたい方や、疲れた体を癒したい方には、ジェット水流で肩や腰をほぐす機能や打たせ湯、バブルバスなどの機能をつけるのもおすすめです。浴室テレビやスピーカーをつけると、入浴しながら映画やドラマを楽しめて、充実したバスタイムがすごせるでしょう。
3. 在来工法からシステムバスにリフォームするときのポイント
在来工法からシステムバスにリフォームするときは、なるべく既存の浴室空間にぴったり収まるサイズのシステムバスを選ぶのがポイントです。以前のシステムバスはサイズのバリエーションが少なかったのですが、最近は2.5cm刻みなど細かくサイズオーダーできるシステムバスもあるため、そういった商品を選ぶとデッドスペースができにくいでしょう。
また同じ浴室サイズでも、浴槽の広さや形状によっても快適性は変わります。ゆったりと入浴したい場合はワイドな浴槽を選んだり、半身浴ができるベンチ付きの浴槽を選んだりと、ご家族が快適に入浴できる商品を選ぶとよいでしょう。浴室や浴槽のサイズ感はカタログの写真だけではなかなかわかりにくいので、経験豊富なリフォーム会社に相談するのがおすすめです。
4. まとめ
在来工法の浴室を最新のシステムバスに交換すると、寒さや汚れ、掃除のしにくさなどの悩みを解決できることが多くあります。10〜15年後の生活も見据えて手すりを設置したり、浴室暖房機で浴室を暖められるようにしておくと安心です。浴室リフォームでは、現在の浴室空間に合わせたシステムバスのサイズや、ご家族の希望に合わせた機能を選ぶことが大切です。まずは近くのリフォーム会社に、どのようなシステムバスを選べばよいか相談してみましょう。