1. キッチンの大掃除のポイント
コンロには油汚れや焦つき、シンクには水垢…とキッチンにはさまざまな種類の汚れがあります。キッチンを効率よくキレイにするには、汚れに合わせた洗剤を選ぶのがポイントです。
油汚れは酸性なので、反対の性質をもつアルカリ性洗剤で中和させると汚れが落ちやすくなります。キッチンは食べ物を扱う場所なので「重曹」などを使うと安心です。水に溶かして重曹スプレーにする他、粉のまま振りかけて磨くように汚れを落とすこともできます。
反対に水垢のようなアルカリ性の汚れに強いのが「クエン酸」などの酸性洗剤です。クエン酸スプレーを吹きかけたら、キッチンペーパーなどでパックしてしばらく置くと汚れが落としやすくなります。
食器用洗剤をはじめとする中性洗剤は、手肌への刺激が少ない洗剤です。軽い汚れであれば、酸性・アルカリ性どちらの汚れにも対応できます。
洗剤の種類 | 汚れの種類 |
---|---|
酸性洗剤 (クエン酸など) |
・水垢 |
中性洗剤 (食器用洗剤など) |
・軽い油汚れ ・ホコリ |
アルカリ性洗剤 (重曹・セスキ炭酸ソーダ・塩素系漂白剤など) |
・ガンコな油汚れ ・焦げつき ・食べ物の汚れ |
洗剤の種類 | 汚れの種類 |
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酸性洗剤 (クエン酸など) |
・水垢 |
中性洗剤 (食器用洗剤など) |
・軽い油汚れ ・ホコリ |
アルカリ性洗剤 (重曹・セスキ炭酸ソーダ・塩素系漂白剤など) |
・ガンコな油汚れ ・焦げつき ・食べ物の汚れ |
キッチンの大掃除では、素材に合わせた洗剤や道具を使うことも大切です。ステンレスを研磨率が高すぎるクレンザーでこすると傷がついたり、人造(人工)大理石に強い漂白剤を使うと黄ばんでしまうことも。しつこい汚れは力任せにこすらず、つけ置きなどで汚れを浮かせて落としましょう。
2. レンジフードの掃除方法
キッチンの大掃除は、高い位置にあるレンジフードからスタートするのがおすすめです。
レンジフードの汚れをためこむと、油とホコリがこびりついてギトギトになることも。日々のお手入れとして、外側を拭いたりフィルターを洗っておくと、大掃除がぐんと楽になります。月1など汚れ具合に合わせてお手入れしましょう。
年に1回程度の大掃除ではフィルターだけでなく、整流板やシロッコファンも取り外して掃除するとすっきりします。
2-1.レンジフード本体
レンジフード本体の油汚れは、重曹スプレーで拭き掃除を。汚れがひどければ、重曹ペーストを使うのもおすすめです。汚れを覆うように重曹ペーストを塗り、ラップしてしばらく放置すると、汚れがゆるんで落としやすくなります。最後に水拭きで仕上げましょう。
※重曹スプレー:水200mLに重曹小さじ2杯程度を溶かす
重曹ペースト:重曹を少量の水で溶かしてペースト状にする
2-2. 整流板
整流板とは、スリム型レンジフードの本体真下についている板のこと。あえて吸込口を狭くすることで、油や煙を吸い込む力をアップさせる役割があります。
日常的にはレンジフード本体と同じように、汚れが気になったときに拭き掃除を。大掃除ではレンジフードから取り外して、重曹スプレーなどで拭き上げるとよいでしょう。
2-3. フィルター
フィルターは整流板の奥にあり、油汚れやホコリが内部に入らないようガードしている部品です。整流板のないブーツ型レンジフードの場合は、一番外側についています。
フィルターを取り外したら、網目に溜まった汚れをお湯で洗い流して、中性洗剤などを使って洗いましょう。お湯を使うことで、油汚れがゆるんで落ちやすくなります。
フィルターは1〜3ヶ月に1度くらいの頻度で洗っておくと、目詰まり防止に。表面に不織布のフィルターを貼ると、掃除が楽になります。
2-4. シロッコファン
フィルターのさらに奥にあるのが、回転して空気の流れをつくるシロッコファンという部品です。ネジなどで固定されているので、取扱説明書にしたがって外して洗いましょう。
シロッコファンは頻繁に洗えないことが多いので、つけ置きで油汚れをゆるめてから落とすのがおすすめ。40度程度のぬるま湯に中性洗剤を溶かして、1時間前後放置します。
注意点として、塗装が施されたシロッコファンには、アルカリ性洗剤が使えない場合があります。重曹などを使いたい場合は、取扱説明書を確認しましょう。
3. コンロ・グリルの掃除方法
コンロまわりは油汚れや焦つきなど、酸性汚れがメイン。重曹を使うと汚れ落ちがよく、体にもやさしいのでおすすめです。
3-1. ガスコンロ
ガスコンロは、日々のお掃除がとても大切です。吹きこぼれや油ハネをしたら、その都度サッと拭き取っておきましょう。たくさんのパーツがあるため、大掃除では次のようにパーツごとにキレイにしていきます。
<天板>
天板は軽い汚れなら重曹スプレーでまとめてキレイに。ガンコな汚れは、重曹を粉のまま振りかけて水をたらし、ラップでやさしくこすると取れることもあります。
※重曹スプレー:水200mLに重曹小さじ2杯程度を溶かす
<五徳>
五徳は油汚れや焦つきが多く、形も複雑なのでなかなか掃除が難しい部分。大鍋に重曹水(水1Lに重曹大さじ2程度)と五徳を入れて5分ほど煮沸すると、汚れが浮いてきます。火傷しないくらい五徳を冷ましたあと、スポンジや歯ブラシでこすって汚れを落としましょう。
<バーナー周辺>
複雑な形のバーナー周辺は、硬く絞った布でやさしく拭き取りを。凹凸部分は歯ブラシなどでお手入れしましょう。
<排気カバー>
天板の奥にある排気カバーは取り外して、食器用洗剤を使って水洗いします。
3-2. IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは五徳のような複雑な部品もないため、基本的な日々のお掃除はサッと拭くだけでOK。ただしガラス面が黒く焦げつくことがあるため、大掃除でキレイにしましょう。
簡単なのは、焦げついたところに重曹を粉のまま振りかけて水をたらし、ラップでやさしくこする方法です。重曹で落ちなければ、IH専用クリーナーで軽く研磨することもあります。
3-3. グリル庫内
グリルの網や受け皿は取り外して、中性洗剤や重曹で汚れを落とします。グリル庫内のニオイが気になるときは、中性洗剤を含ませた布で拭き取るとよいでしょう。ガンコな焦げつきには、重曹やクレンザーを使うのもおすすめです。
4. ワークトップの掃除方法
キッチンのワークトップは「ステンレス製・セラミック製・人造(人工)大理石製」の3種類が代表的です。それぞれ特徴が違うので、素材に合わせて掃除しましょう。
4-1. ステンレス製
ステンレスは金属タワシやクレンザーを使うと傷がつきやすいため、柔らかいスポンジや布、歯ブラシなどで優しくこするのがポイント。落ちにくい汚れには台所用中性洗剤や、粒子の細かいクリームクレンザーを使いましょう。クレンザーの研磨剤の割合は20〜50%が目安です。
ステンレスはサビにくい金属ですが、空き缶などの金属から「もらいサビ」ができることがあります。サビが発生したら、市販のステンレスクリーナーで落とすか、クリームクレンザーで磨くとよいでしょう。
4-2. セラミック製
熱や傷に強いセラミックのワークトップは、こすっても傷つきにくいのが特徴です。そもそも汚れも染み込みにくく、日ごろから軽く拭いておけば、大掛かりな掃除はあまり必要ないでしょう。
日々のお手入れは、中性洗剤や水拭きでOK。汚れがこびりついているときは、メラミンスポンジやクリームクレンザーなどを使ってこすり落とします。
4-3. 人造(人工)大理石製
人造(人工)大理石は、天然大理石に似た質感を人工的につくりだした素材です。人造大理石は砕いた天然石をセメントや樹脂で固めたもので、人工大理石は天然石を含まずアクリルやポリエステルなどの樹脂を主成分としています。
どちらの場合も粒子の荒いクレンザーや金属タワシでごしごしこすると光沢感が変わったり、酸性・アルカリ性洗剤で変色したりすることがあるため、注意が必要です。
基本的に使用するのは、食器用洗剤などの中性洗剤がおすすめ。柔らかい布やナイロンタワシで軽めにこすって、水拭きをしましょう。
5. シンクの掃除方法
シンクは他の箇所の掃除にも使うので、最後に掃除するのがおすすめです。水垢、ヌメリなどさまざまな汚れがあるので、適した洗剤を使いましょう。
5-1. 水垢
蛇口やシンクには、水道水に含まれるミネラル分が白く固まった水垢汚れがこびりついていることがあります。軽い水垢はスポンジでこすって落とせますが、しばらく放置された水垢は落ちにくいので「クエン酸パック」がおすすめです。
- 水垢にクエン酸スプレー(水200mL+クエン酸小さじ2杯程度)をたっぷりと吹きかける。
- キッチンペーパーとラップで覆ってパックし、20〜30分放置する。
- ゆるんだ水垢をスポンジでこすり、水で洗い流す。
5-2. 排水口のヌメリ
排水口のヌメリには、強い漂白作用をもつ塩素系漂白剤が効果的です。泡タイプの塩素系漂白剤なら、排水口の各パーツを泡で包み込むようにスプレーして洗い流すだけと手軽です。強い洗剤を使いたくない場合は、重曹+クエン酸を反応させて発泡させる方法もあります。
- 半カップ程度の重曹を粉のまま排水口にまんべんなく振りかける。
- お湯200mLにクエン酸大さじ2杯程度を溶かして排水口に流す。
- 重曹とクエン酸が反応して、シュワシュワと発泡する。
- 10分程度放置して、大量の水で洗い流す。
6. まとめ
キッチンの大掃除では、汚れの種類や素材に合わせた掃除方法を選ぶことが大切です。また日常的にガスコンロやレンジフードのフィルター、ワークトップなどをこまめに掃除しておくことで大掃除が楽になります。
最初のうちは大掃除でピカピカになっていたキッチンも、経年とともに汚れが落ちにくくなることもあるでしょう。汚れが落ちにくいということは、キッチン自体が古くなってきている可能性もあるため、リフォームを検討されるのもおすすめです。新しいキッチンに交換すると汚れ落ちがよくなり、簡単に清潔な状態をキープできるようになるでしょう。