1. リフォームの現地調査の流れ
まずは近隣のリフォーム会社に電話やメールで問い合わせをして、現地調査の日程を調整します。このとき「キッチンの古さが気になっている」「新しい生活に合わせてリフォームしたい」など要望をまとめておくと話しやすいでしょう。
現地調査当日はリフォーム会社の担当者がご自宅を訪問し、工事箇所の調査・採寸・写真撮影・搬入経路の確認などを行います。たくさんのチェック項目がありますが、必要な項目を漏れなくチェックすることが大切です。そのためリフォーム会社は現地調査でチェックするべき項目を整理した「ヒアリングチェックシート」を用意しており、このシートを見ながら細かいところまで確認します。
現地調査が終わったら、一度担当者が持ち帰ってプランや見積りを作成します。工事内容によって変わりますが、最初の提案まで1〜2週間程度みておくとよいでしょう。
2. キッチンの現地調査チェックポイント
システムキッチンの交換やレイアウト変更をするときは「料理中の動線を邪魔しないか?」「冷蔵庫や食器棚が使いにくくならないか?」などを考えながら細かく採寸します。また建物ごとに給排水管の位置や電気配線経路なども違うので確認が必要です。
2-1. キッチン全体の寸法
今のシステムキッチンの幅・奥行き・高さ、部屋の間口・奥行き・天井高、食器棚や冷蔵庫などのサイズを測って、どのようなレイアウトにできるか確認します。窓や照明は吊り戸棚の扉などと干渉することがあるため、忘れずに位置を把握しなければなりません。
2-2. 給排水管・換気口
給排水管の位置や構造によっては、リフォームプランに制限がでることも。シンク下の棚を開けて見るほか、床下の点検口を覗いたり、床を叩いたときの音を調べたりすることもあります。また、換気口がレンジフードから遠いと換気効率が変わるため、換気口の位置もよく確認したいポイントの一つです。
2-3. コンセント・スイッチ
キッチンには家電が多いため、コンセントやスイッチのチェックも欠かせません。コンセントは十分な数あるか、位置は適切かなどを確認。スイッチの位置や機能など細かい部分も調査して、プランや見積りに反映します。
分電盤を見て、電気容量や回路を把握することも大切です。200V電源が必要なビルトイン食器洗い乾燥機やIHクッキングヒーターを新たに導入するなら、専用回路が用意できるか確認しなければなりません。また電力会社との契約内容によっては、家の中で一度に使える電気容量が足りずにブレーカーが落ちやすくなってしまうことも。必要な電気容量が確保できるか、契約内容の見直しをしたほうがいいかチェックします。
3. 浴室の現地調査チェックポイント
浴室には在来浴室とシステムバスの2種類があり、浴室や壁などが一体化したシステムバスへのリフォームが主流です。現地調査では今の浴室の寸法や給排水管の状態などを確認します。
3-1. システムバスの寸法
多くのシステムバスはサイズの規格が決まっているため、浴室の寸法を測って、設置できるシステムバスの規格を調べます。今の浴室がシステムバスであれば、浴室スペースの中に箱状のシステムバスが入っている形です。そのためシステムバスの内寸だけでなく、天井点検口を開けてシステムバスのまわりの状況を確認することもあります。
3-2. 窓の位置・サイズ
浴室の採寸で重要なのが窓です。浴室内に窓があればシステムバスの壁をくり抜かなければならないので、窓枠の位置やサイズを必ず調べます。新しい浴槽と窓が干渉しないかなどのチェックも必要です。
3-3. 給排水管・給湯器
排水経路を調べて、新しいシステムバスとどのように繋ぐか確認します。築年数の経った家では給排水管が細かったり腐食やサビが出ている可能性もあるため、給排水管の交換が必要ないかもチェックしたい項目です。また給湯器の交換が必要なこともあるため、給湯器の位置や品番、容量も調べます。
4. トイレの現地調査チェックポイント
トイレは限られたスペースを有効活用するリフォームをするために、細かいところまで寸法をチェックすることが重要です。「収納はどうするか?」「バリアフリー化は?」なども含めて検討します。
4-1. 排水方式
トイレには「床排水・壁排水」の2種類があり、便器交換をするときは基本的に同じ排水方式の商品を選びます。
床排水:床から垂直に立ち上がり排水管につなぐ
壁排水:壁から水平方向に排水管につなぐ
便器背面に排水管が見えれば壁排水、見えなければ床排水と考えられます。壁や床から排水管の中心までの距離を測ったり、手洗いキャビネットなどを開けて排水管を確認することもあるでしょう。
4-2. トイレ空間の寸法
新しいトイレのサイズや位置によっては、今よりもトイレ前方スペースが狭くなることも。そのため室内寸法を測って、頭が壁にぶつからずにスムーズな立ち座りができるかを確認します。トイレ内に手洗い器やキャビネットを設置するなら、そのサイズや位置確認も大切です。
4-3. ドア・入り口の段差
ドアのサイズや開き方、入り口の段差も重要です。特に段差をなくしてバリアフリー化したい場合は、詳しく調査する必要があります。
4-4. コンセント
温水洗浄便座を設置するなら、便器の近くにコンセントが必要です。今あるコンセントの位置によっては移設が必要になるかもしれません。トイレ内にコンセントがなければ、トイレ外のコンセントから分岐配線できるかも含め、しっかり確認します。
5. 洗面脱衣所の現地調査チェックポイント
洗面脱衣所リフォームでは、洗面化粧台の交換や収納力アップなどさまざまな要望があるでしょう。現地調査では設置スペースを採寸したり、ドアや扉との干渉を確認したりします。
5-1. 洗面化粧台・部屋の寸法
今の洗面化粧台の幅・奥行き・高さを採寸。部屋のサイズや浴室のドア位置、洗濯機との距離を確認して、新しい洗面化粧台のサイズやレイアウトを検討します。
5-2. 洗濯機の位置・サイズ
洗濯機の下に設置された「防水パン」は、床への水漏れを防ぐ役割があります。防水パンが小さくて希望しているドラム式洗濯機が置けない場合、大きい防水パンに変更できないかなど検討します。
5-3. 周辺の突起物
洗面化粧台の収納扉や引き出しを開けたとき、ドア枠やタオル掛け、コンセントなどに干渉してしまうことも。周辺に干渉しそうな突起物がないかしっかりとチェックします。
5-4. 窓の状態・寒さ対策
洗面脱衣所が寒い原因の一つが、アルミサッシやシングルガラスなど断熱性能の低い窓。ヒートショックのリスクも高まるため、内窓を設置する断熱対策や、洗面室暖房機の設置などを検討することもあります。
6. 水まわりリフォームを成功させる現地調査の事前準備
現地調査は採寸や写真撮影をするだけではありません。ご家族の暮らし方を把握したり、家の中で不便な点を洗い出すのも大きな目的です。そのため現地調査の前に「どんなリフォームをしたいのか?」「ご予算はどのくらいか?」「今の住居のどんなところに不満や不便を感じているか?」などをご家族で話し合って、メモしておくとよいでしょう。
また図面が用意できるようなら、現地調査の日に渡せるように準備しておくとスムーズ。希望するデザインやレイアウトがあれば、イメージが伝わる写真を準備しておくのもおすすめです。
7. まとめ
リフォームをしたいけれど、具体的にどんな工事をすればいいのか分からない方も多いもの。また水まわり全体の劣化が気になっているけれど、予算的にどこまでリフォームできるか分からないケースもあるでしょう。
そんなときはリフォーム会社に気軽に問い合わせをしてみましょう。ざっくりと「ここが困っている」「気になっている」と伝えるだけでも問題ありません。現地調査をすることで自宅に合うプランや、優先してリフォームすべき箇所を提案してもらえることもあります。