1. エコキュートのメンテナンスをしていないとどうなる?
エコキュートはメンテナンスが必要な給湯器です。ここでは、エコキュートのメンテナンス不足によって起こる可能性のある、主な問題をご紹介します。
1-1. エコキュートの寿命が縮む・故障する
エコキュートの平均寿命は一般的に10年程度です。適切にメンテナンスをしていないと、寿命よりも早く故障してしまい、修理や交換が必要になる可能性があります。出費を抑えるためにも、定期的なメンテナンスを実施してエコキュートを長持ちさせましょう。
1-2. 汚れたお湯が出る
エコキュートのメンテナンスを怠ると、お湯に湯垢や皮脂汚れ、ゴミが混ざったり、お湯の臭いが気になったりすることがあります。このようなお湯が出てくるのは、浴槽アダプターや貯湯タンク、配管が汚れていることが原因というケースが多いです。定期的に掃除を行い、きれいに保ちましょう。
1-3. 水道代・電気代が増える
定期的なメンテナンスを行わずにいると、浴槽アダプターが目詰まりするなど汚れが蓄積してしまうこともあります。給湯の稼働効率が下がり、余計な水道代や電気代がかかってしまう可能性も。光熱費を抑えるために導入したエコキュートを効率よく使うためにも、定期的にメンテナンスをしましょう。
2. エコキュートのメンテナンス方法と頻度
ここからはエコキュートの具体的なメンテナンス方法と頻度を見ていきましょう。
メンテナンス頻度 | 内容 |
---|---|
日常 | リモコンの掃除、浴槽アダプター(浴槽フィルター)の掃除 |
汚れが目立つとき | ふろ配管の洗浄 |
年に2〜3回程度 | 逃し弁の点検、貯湯タンクの水抜き・内部洗浄、漏電遮断機の点検、配管接続部の点検 |
冬になる前 | 凍結防止ヒーターの動作確認 |
3〜4年に1回程度 | プロに定期点検を依頼する |
メンテナンス頻度 | 内容 |
---|---|
日常 | リモコンの掃除、浴槽アダプター(浴槽フィルター)の掃除 |
汚れが目立つとき | ふろ配管の洗浄 |
年に2〜3回程度 | 逃し弁の点検、貯湯タンクの水抜き・内部洗浄、漏電遮断機の点検、配管接続部の点検 |
冬になる前 | 凍結防止ヒーターの動作確認 |
3〜4年に1回程度 | プロに定期点検を依頼する |
2-1. 日常的な掃除
・リモコンを乾いた布や固く絞った布で拭く
毎日触るリモコンの汚れが気になったら、乾いた布や水を含ませ固く絞った布で表面を拭きます。汚れがひどい場合には、薄めた中性洗剤を含ませ固く絞った布を使い、最後に乾いた布で拭き取りましょう。中性洗剤以外のベンジンやシンナーなどの使用は、ひび割れや変形・変色の原因になる可能性があります。
・浴槽アダプターを取り外して洗う
浴槽内についている浴槽アダプターも、日常的な掃除が必要になる部分です。湯垢が溜まると目詰まりを起こし、お湯張りや追い焚きが正常にできなくなってしまうことがあります。
お手入れ方法は、取扱説明書に従って浴槽アダプターを外し、歯ブラシなどで付着している汚れを取り除きます。きれいになったら、再度取り付けて掃除完了です。
2-2. ふろ配管の洗浄(汚れが目立つとき)
エコキュートのタンクと浴槽の間にあるお湯が循環する管を、ふろ配管といいます。追い焚き機能でお湯を循環させるときなどに、皮脂や湯垢、ゴミも配管内に入り込むため、配管洗浄剤を使って、配管の内部を洗浄することが必要です。メーカーによって手順が異なるため、取扱説明書に従って正しい手順で行いましょう。
ふろ配管の洗浄手順
1.入浴後、ふろ自動運転を切り、浴槽アダプターの中心から10cm以上を目安としてお湯を残す。
2.配管洗浄剤を1袋入れ、リモコンの洗浄ボタンを押す。
3.洗浄が終わったら、浴槽のお湯を排水する。
4.浴槽アダプターが隠れる程度お湯をはり、洗浄ボタンを押してすすぎを開始する。
5.すすぎが終わったらお湯を排水し、浴槽の掃除を行う。
2-3. 逃し弁の点検(年に2〜3回程度)
逃し弁は、貯湯タンク内の圧力を正常に保つための調節弁です。正常に作動しないとタンクが変形し、水漏れなどの故障につながることもあるため、エコキュートを安全に使うためにも定期的に水漏れ点検と動作点検を行いましょう。
・水漏れ点検
排水口から水(お湯)が出ていないことを確認します。このときに、水(お湯)が出ている場合には逃し弁操作窓を開けて逃し弁のレバーを数回動かします。
・動作点検
逃し弁操作窓を開けて逃し弁のレバーを手前に起こし、排水口から水(お湯)が出ることを確認します。最後に逃し弁のレバーを戻して点検完了です。
2-4. 貯湯タンクの水抜き・内部洗浄(年に2〜3回程度)
貯湯タンクは、ヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯めておくタンクです。タンク内に湯垢や不純物が溜まると、お湯の汚れや故障の原因になるため、定期的にタンク内の水(お湯)を勢いよく抜いて、溜まった汚れを排出します。また、1ヶ月以上使用しない場合も水(お湯)抜きが必要です。水抜きの手順はメーカーにより異なることもあるため、取扱説明書に従って実施しましょう。
貯湯タンクのメンテナンス手順
1.給水配管専用止水栓を閉じる
2.逃し弁操作窓を開け、逃し弁のレバーを手前に起こす
3.排水栓を約1~2分間開いた後、排水栓を閉じる
4.給水配管専用止水栓を開く
5.排水口から勢いよく水が出たら、逃し弁のレバーを戻す
2-5. 漏電遮断機、配管接続部の点検(年に2〜3回程度)
・漏電遮断器の点検
漏電遮断器は、漏電が起こった際に自動で電圧を遮断する安全装置です。正常に作動しないと、感電や火災の発生につながる可能性があります。
点検方法は、電気の供給中に操作窓を開けてテストボタンを押します。電源レバーが「入」から「切」になれば正常です。その後、電源レバーを上げて、「入」に戻して点検が完了します。
・配管接続部の点検
エコキュートと浴槽をつなぐ配管接続部には、シリコンやゴムなどで作られたパッキンやシールが使われています。接続部の部品は、紫外線や外気にさらされて劣化し、水漏れを起こす可能性があります。劣化や水漏れがないか、目視で確認しましょう。
2-6. 凍結防止ヒーターの動作確認(冬になる前)
凍結防止ヒーターとは、配管が一定の温度以下になると自動で配管を温めて、凍結を防止する機能です。エコキュートは外気温が氷点下を超えると配管が凍ってしまい、お湯が出なくなるため、本格的な冬を迎える前に凍結防止ヒーターの電源をつけて、正常に作動するかどうか確認しましょう。
2-7. プロに定期点検を依頼する(3〜4年に1回程度)
エコキュートを少しでも長く使うには、3〜4年に1回程度を目安としてプロに点検を依頼することも必要です。配管の確認、消耗部品の交換、タンク内の清掃などを行ってもらうことで、自分では見つけられなかった部品の劣化が発見できる可能性もあります。
依頼先は、据付工事店(販売店)やメーカーの修理窓口などがあります。日々のセルフメンテナンスで異常が見つかった際も、プロに連絡をして問題を解決しましょう。
3. まとめ
エコキュートを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが必要になります。自分でも掃除や点検をすることができますが、気になる箇所があれば、本格的に故障してしまう前に設置業者やメーカーに相談することも大切です。適切なメンテナンスで、より長く快適に使用できるようにしましょう。