1. 外壁・屋根塗装を成功させるポイント
1-1. 予算に合わせたグレードの塗料を選ぶ
外壁・屋根塗装では、ただ高価な塗料を選べば良いというわけではありません。無理にハイグレードの塗料を選び、費用を抑えるために安い施工業者に依頼すると、施工品質が悪かったり、必要以上に塗料を薄めたりするケースがあります。その結果、せっかくの塗料の良さが十分に発揮できないことも少なくありません。
大切なのは、塗料のグレードと施工品質のバランスを考えて、適正価格で依頼すること。自分の予算に合った塗料グレードを選びましょう。
1-2. 外壁材の種類や環境に合わせた塗料を選ぶ
住まいの外壁材によっても、最適な塗料は異なります。例えば、金属サイディングには防錆効果の高い塗料、モルタル外壁にはひび割れに追従しやすい伸縮性のある塗料など、外壁材と相性のよい塗料を選びましょう。
また、住環境や既存の外壁の状態によって、選ぶべき塗料が変わることも。海が近い場所では塩害に強い塗料、日当たりが強い場所では紫外線に強い塗料など、意識して選ぶことで長持ちにつながることもあります。
1-3. 信頼できるリフォーム会社を選ぶ
外壁・屋根塗装の成功には、信頼できるリフォーム会社選びも欠かせません。予算や仕上がりの希望、求める機能性、塗装サイクルなどの要望を伝えることで、あなたの住まいに最適な塗料選びをサポートしてもらえます。
また、塗料の乾燥時間や天候への配慮など、適切な工程管理ができるリフォーム会社を選ぶことも大切です。施工品質は仕上がりに大きく影響するため、実績や評判を確認した上で依頼しましょう。

2. さまざまな希望に合わせた機能性塗料を選ぶ
外壁・屋根塗装は、単に見た目を美しく保つだけでなく、住まいの快適性やデザイン性を高める機会でもあります。最近では、さまざまな機能を持った塗料が開発されており、ライフスタイルや住環境に合わせて選ぶことができます。冷暖房効果アップにつながる断熱塗料や遮熱塗料、メンテナンスの手間を減らす光触媒塗料、高級感のある多彩模様塗料など、機能性も考慮して塗料を選ぶと良いでしょう。
2-1. 快適性や冷暖房効率アップにつながる塗料
夏の暑さや冬の寒さに悩んでいる方は、住まいの温度環境改善につながる断熱塗料や遮熱塗料を検討されるとよいでしょう。断熱塗料には、家の中の熱が外に逃げないようにしたり、外部からの熱が室内に伝わりにくくしたりする効果があります。遮熱塗料は太陽光を反射して屋根や外壁の温度上昇を抑制するため、夏場の屋根裏や2階の暑さにお悩みの方におすすめです。いずれも冷暖房が効きやすくなることで、光熱費の削減にもつながります。
2-2. 汚れにくい機能をもった塗料
外壁のメンテナンス頻度を減らしたい方や、きれいな状態を長く保ちたい方は、汚れにくい機能をもった塗料を選ぶとよいでしょう。親水性の高い塗料は水となじみやすい性質を持っており、外壁に汚れが密着しにくく、雨で汚れを洗い流すセルフクリーニング効果が期待できます。また、光触媒塗料は、太陽の紫外線を受けると化学反応を起こし、付着した有機物(排気ガスや油汚れなど)を分解する働きがあります。
2-3. おしゃれな風合いや模様を再現できる塗料
住まいの個性を出したい方や、周囲と差別化されたデザインを求める方には、デザイン性の高い塗料も選択肢の一つです。多彩模様塗料は、2色以上の塗料を使って天然石などの風合いを再現することができます。通常の1色塗りの塗装では表現できない独特の模様によって、高級感あふれる外観を実現できるのが特徴です。

3. 外壁・屋根塗装で使われる塗料の種類と特徴
3-1. アクリル塗料
耐用年数:5~8年
アクリル塗料は、かつて外壁塗装の主流として広く使用されていましたが、現在ではより耐用年数の長い塗料の登場により、あまり使われなくなりました。他の塗料と比較して低コストなため、短期間で塗り替えを計画している場合には選択肢となりますが、耐候性や耐久性は劣るため、長期的な視点では必ずしも経済的とは言えません。
3-2. ウレタン塗料
耐用年数:7~10年
ウレタン塗料は、柔軟性に優れており、木材・金属・プラスチックなどさまざまな素材に対応できる汎用性の高い塗料です。外壁は地震で振動したり熱によって伸縮したりと、実はさまざまな動きをしていますが、ウレタン塗料のような弾性のある塗料は外壁のわずかな動きにも追従しやすいため、ひび割れしにくくなります。ただし近年は、より高性能なシリコン塗料が普及したことから、ウレタン塗料が使われる機会は減っています。
3-3. シリコン塗料
耐用年数:10~13年
シリコン塗料は、現在最も広く使用されている外壁塗料です。比較的低コストながら耐用年数も長いというバランスの良さが、多くの方に選ばれる理由となっています。撥水性に優れており、雨水による汚れの付着を防ぐ利点も。紫外線にも強いため、色あせが少なく美観を長く保つことができます。ただし、同じシリコン塗料でも製品によって性能差があるため、どの製品を選ぶかによって仕上がりや耐久性は変わってきます。
3-4. フッ素塗料
耐用年数:15~20年
フッ素塗料は、高い耐候性と耐久性を誇る、高グレードの塗料です。紫外線や酸性雨、大気汚染物質などに対する強い抵抗力を持っています。また、温度変化に強いという特性があるため、寒冷地や高温多湿地域などにお住まいの方にもおすすめです。価格は他の塗料と比較して高めですが、長期的に見ると塗り替え頻度が少なくなるため、結果的にコストパフォーマンスが良い場合もあります。
3-5. ハイブリッド塗料
耐用年数:12〜15年
ハイブリッド塗料は、シリコン系とフッ素系の特性を併せ持つ塗料です。それぞれの長所を取り入れることで、バランスの取れた性能を実現しています。フッ素塗料より安価でありながら、シリコン塗料よりも耐久性が高いという中間的な位置づけの塗料です。予算とのバランスを考えた際に、コストパフォーマンスの高い選択肢となります。
3-6. 無機塗料
耐用年数:20~25年
無機塗料は、紫外線や雨水の影響を受けにくい無機物を主成分としており、非常に長い耐用年数を誇ります。その反面、硬いという性質があるため、モルタルのような割れやすい外壁材には不向きです。この欠点を克服したのが、無機(硬い)と有機(柔軟性がある)のハイブリッド無機塗料で、耐久性と柔軟性を両立させています。価格は最も高い部類に入りますが、塗装サイクルを大幅に伸ばしたい方には最適な選択肢です。

4. まとめ
外壁・屋根の塗料は種類が豊富で、グレードが上がるほど性能や耐久性も向上します。ただし、誰もが高価な塗料を選べば良いというわけではありません。住まいの状態、立地環境、希望する機能、そして予算など、さまざまな要素を考えて最適な塗料を選ぶことが大切です。理想の塗料選びをサポートしてくれる信頼できるリフォーム会社に相談し、最適な塗装プランを立てましょう。