太陽光パネル付き住宅と電卓

太陽光発電システムの価格相場は?何年で費用対効果を得られるかシミュレーションしよう

光熱費の高騰や物価上昇が、家計に大きなダメージを与えているご家庭も多いのではないでしょうか。そんなときに検討したいのが、自宅に太陽光発電システムを設置すること。電気代を安くでき、また災害時の備えにもなるなどメリットがたくさんあります。

ただしを設置するときに気になるのが「いくらで設置できるのか?設置費用分の節約効果が見込めるのか?」という点ではないでしょうか。そこで今回は、設置費用の相場やメンテナンス費用をシミュレーションし、設置費用をカバーできる年数について考えてみましょう。

1. 太陽光発電システムを設置するときの価格相場

太陽光発電システムを設置するとき、初期費用としてかかるのが太陽光パネルの設置費用や工事費です。初期費用は年々下がっており、経済産業省のデータによると2024年度の目安は「1kWあたり25.5万円」とされています。例えば一般家庭でよく設置される5kWの太陽光発電システムの場合、およそ127万5,000円で設置できる計算です。

年度 設置費用の平均値
2019年度 30.5万円/kW
2020年度 29.2万円/kW
2021年度 27.5万円/kW
2022年度 26.7万円/kW
2023年度(想定値) 25.9万円/kW
2024年度(想定値) 25.5万円/kW

年度 設置費用の平均値
2019年度 30.5万円/kW
2020年度 29.2万円/kW
2021年度 27.5万円/kW
2022年度 26.7万円/kW
2023年度(想定値) 25.9万円/kW
2024年度(想定値) 25.5万円/kW

※2024年3月現在の情報です。
参考/経済産業省(調達価格等算定委員会)|令和5年度以降の調達価格等に関する意見

2. 太陽光発電システムによって得られる経済的メリット

2-1. 自家消費で電気代が安くなる

太陽光発電システムでつくった電気のうち3割程度(※1)は、自宅で家電などを使うために消費されます。そのぶん電力会社から購入する電気が減るため、電気代が安くなります。

電力料金の目安単価は、1kWhあたり31円程度(※2)。仮に1ヶ月で150kWhを自家消費すると、31円×150kWh=4,650円の電気代が節約できます。

※1 蓄電池などの充電設備がなく、太陽光発電システムのみを設置する場合
※2 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会による電力料金の目安単価

2-2. FIT制度により売電収入が得られる

自家消費しきれなかった余剰電力は、電力会社に買い取ってもらい、収入を得ることができます。2024年度に10kW未満の太陽光発電システムを設置した場合、最初の10年間の売電単価は1kWhあたり16円です。最初の10年間の価格がFIT制度(固定価格買取制度)によって約束されていることで、この期間は売電収入をある程度正確に予測できます。

3. 太陽光発電システムは何年で費用対効果を得られるかシミュレーション

[収支シミュレーションの条件]
太陽光発電システムの容量:4.7kW
年間予測発電量:5,826.5kWh
設置費用:125万4,900円
メンテナンス費用:年間2万1,949円
蓄電池:設置なし

平均的な4人家族で、現在月2万円の電気代を支払っている場合を想定してシミュレーションしてみましょう。「SHARP|太陽光発電と蓄電池の導入シミュレーション」を使って、自家消費で節約できる電気代と売電収入を試算したのが下表です。この条件下では、10年目に初期費用125万4,900円を回収できる計算になります。

自家消費分の
年間発電効果
年間売買
収入
メンテナンス
費用
合計 トータルの
お得額
1年目 ¥103,479 ¥44,172 ¥-21,949 ¥125,702 ¥125,702
2年目 ¥105,549 ¥44,172 ¥-21,949 ¥127,772 ¥253,474
3年目 ¥107,618 ¥44,172 ¥-21,949 ¥129,841 ¥383,315
4年目 ¥109,688 ¥44,172 ¥-21,949 ¥131,911 ¥515,226
5年目 ¥111,757 ¥44,172 ¥-21,949 ¥133,980 ¥649,206
6年目 ¥113,827 ¥44,172 ¥-21,949 ¥136,050 ¥785,256
7年目 ¥115,896 ¥44,172 ¥-21,949 ¥138,119 ¥923,375
8年目 ¥117,966 ¥44,172 ¥-21,949 ¥140,189 ¥1,063,564
9年目 ¥120,036 ¥44,172 ¥-21,949 ¥142,259 ¥1,205,823
10年目 ¥122,105 ¥44,172 ¥-21,949 ¥144,328 ¥1,350,151

自家消費分の
年間発電効果
年間売買
収入
メンテナンス
費用
合計 トータルの
お得額
1年目 ¥103,479 ¥44,172 ¥-21,949 ¥125,702 ¥125,702
2年目 ¥105,549 ¥44,172 ¥-21,949 ¥127,772 ¥253,474
3年目 ¥107,618 ¥44,172 ¥-21,949 ¥129,841 ¥383,315
4年目 ¥109,688 ¥44,172 ¥-21,949 ¥131,911 ¥515,226
5年目 ¥111,757 ¥44,172 ¥-21,949 ¥133,980 ¥649,206
6年目 ¥113,827 ¥44,172 ¥-21,949 ¥136,050 ¥785,256
7年目 ¥115,896 ¥44,172 ¥-21,949 ¥138,119 ¥923,375
8年目 ¥117,966 ¥44,172 ¥-21,949 ¥140,189 ¥1,063,564
9年目 ¥120,036 ¥44,172 ¥-21,949 ¥142,259 ¥1,205,823
10年目 ¥122,105 ¥44,172 ¥-21,949 ¥144,328 ¥1,350,151

※年間予想発電電力は、パワーコンディショナ変換効率96%、定格出力4.0kW、設置場所を東京都練馬区、日射量観測地点は練馬にてシミュレーション。平均電気使用量は4人家族想定で516kWh、FIT期間中の売電単価は16円/kWh、売電収入は月3,681円、電気料金は東京電力エナジーパートナーの「スマートライフ6kVA~」、電気料金上昇率は想定年率2%、メンテナンス費用は1kWあたり年間4,670円にて試算。あくまで概算のため、実際の数字とは異なる場合があります。

ただし今回は簡易的なシミュレーションとなっており、設置条件や天候などによって結果は異なります。詳細を知りたい場合は、業者にシミュレーションを依頼するとよいでしょう。

4. 太陽光発電システムを設置したあとのメンテナンス費用

太陽光発電システムは設置して終わりではありません。安全確保のためにも、定期的なメンテナンスが法律で義務化されています。安全に使えるかチェックするのはもちろんのこと、メンテナンス不足による極端な発電量低下を防ぐことにもつながります。またパワーコンディショナ(※3)は20年程度での交換が必要です。

調達価格等算定委員会によると、太陽光発電システムのメンテナンス費用は1kWあたり年間4,670円程度です。

頻度 1回あたりの費用相場
定期点検 3〜5年に1回程度 3〜5万円程度
パワーコンディショナの交換 20年に1回程度 29.2万円程度

頻度 1回あたりの
費用相場
定期点検 3〜5年に
1回程度
3〜5万円程度
パワーコンディショナの交換 20年に
1回程度
29.2万円程度

参考/経済産業省(調達価格等算定委員会)|令和5年度以降の調達価格等に関する意見

※3 パワーコンティショナ:太陽光パネルで発生する直流電流を、家庭で使える交流電流に変換する機械

5. 太陽光発電システムの設置費用を早めにカバーする方法

5-1. 初期費用とランニングコストを抑える

太陽光発電システムを設置するときは、見積りをとって安く設置できる業者を選ぶと、初期費用をカバーできる年数が早まります。ただし、重量のあるパネルを屋根に設置するため、施工の安さだけで選ぶのは危険です。きちんと作業をしてくれる信頼できる業者を選ぶことが大前提です。またこのとき無償点検がついている業者を選ぶと、ランニングコストも抑えることができます。

5-2. 蓄電池をセットで導入する

2024年度のFIT制度による売電単価は16円、電気料金の目安は31円。売電するよりも自家消費分を増やしたほうがお得になるため、電気をためられるよう蓄電池を導入するのも効果的です。ただし蓄電池にも初期費用がかかるので、ライフスタイルや発電能力に合わせて選びましょう。
関連記事:https://reform.edion.jp/blog/blog021/

5-3. 補助金制度を活用する

太陽光発電システムや蓄電池を設置するときに、国や自治体の補助金を活用して初期費用を抑えられることもあります。お住まいの地域や設置時期によっても使える補助金は異なってくるため、補助金を運営している事務局や役所の窓口などに相談してみましょう。

6. まとめ

太陽光発電システムの価格は年々下がっており、以前と比べてずいぶん導入しやすくなりました。それと同時にFIT制度による固定買取価格も下がっていますが、設置後おおよそ10年程度で費用対効果が得られるように調整されています。発電量はお住まいの地域、方角、周囲の状況などによって変わるため、まずは発電シミュレーションをしてもらうのがおすすめです。太陽光発電システムを取り扱っている家電量販店でも気軽にシミュレーションができるので、お近くの店舗を探して足を運んでみましょう。

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