住宅の屋外に設置された蓄電システム

蓄電システムで電気代節約!太陽光発電やEVとうまく併用しよう

夜間電力をためておくことで、電気代が節約できると話題の蓄電システム。すでに太陽光発電やEVを備えているご家庭では、蓄電システムを組み合わせることで、さらにメリットを大きくできます。今回は災害時にも安心の蓄電システムのメリットやデメリット、太陽光発電やEVとの併用方法、導入時のポイントなどを解説します。

1. 「蓄電システム」ってどんなもの?

蓄電システムとは、電気を蓄えておいて、必要な時に家庭内の電気機器で使えるシステムのこと。蓄える電力は「①電力会社から買う、②太陽光発電でつくる」という2つの方法があります。

蓄電システムに蓄えられる電力量を「蓄電容量」といい、単位は「kWh」で表します。1kwhは1kW=1,000Wの電化製品を1時間使える電力量。家庭用の蓄電システムであれば、4〜7kWhくらいの商品が主流です。たくさん電力を蓄えたい場合は、10kWh以上のシステムを選ばれるご家庭もあります。

昨今、蓄電システムの導入を検討されるご家庭が増えているのは、太陽光発電の売電価格が安くなってきているから。以前はFIT制度で約束された売電価格が40円/kWhを超える時代もありましたが、現在は17円/kWhと電力会社から買う電気料金を下回っています。
つまり余った電力は売電するよりも、蓄電池に貯めて自分たちで使ったほうが電気代節約になるということです。

なお、FIT期間10年を満了すると、売電単価はさらに下がります。(東京電力:8.5円/kWh)卒FITが間近に迫っているご家庭は、ぜひ早めに蓄電池の導入を検討しましょう。

東京電力「夜トクプラン」昼間料金 32.74円/kWh
東京電力「夜トクプラン」深夜料金 21.16円/kWh
FIT制度の売電価格(令和4年度) 17円/kWh
FIT終了後の売電価格(東京電力) 8.5円/kWh
※2022年3月時点の価格です

東京電力「夜トクプラン」
昼間料金
32.74円/kWh
東京電力「夜トクプラン」
深夜料金
21.16円/kWh
FIT制度の売電価格
(令和4年度)
17円/kWh
FIT終了後の売電価格
(東京電力)
8.5円/kWh
※2022年3月時点の価格です

2. 蓄電システムを導入するメリット

2-1. メリット1:深夜電力を活用して電気代を節約できる

電力会社との契約を「夜間の電気料金が割引になる料金プラン」にして、蓄電システムを使えば電気代が節約になります。料金が安い夜間に電力を蓄えておき、昼間に使うことができるからです。
通常電気代を節約しようとすると、スイッチをこまめに消したり、エアコンの温度を見直したりと、手間や我慢が必要。しかし蓄電システムと深夜電力を活用すれば、普段通りの生活をしながら自然と電気代が削減できます。

2-2. メリット2:太陽光発電を最大限に活用できる

自宅に太陽光発電があるだけでは、昼間に使う電力しかまかなえません。蓄電システムを導入すれば、昼間に発電して余った電力を貯めておき、夜も自家消費できるようになります。
ここでポイントになるのが、電力会社に売る売電価格は年々値下がりする一方で、電力会社から買う電気料金は値上がり傾向にあるということ。以前は「電気を余らせて売った方がおトク」という時代もありましたが、これからは「自家消費の時代」です。蓄電システムを活用して電気の自給自足の割合を増やし、電力会社から買う電気を減らすことで、家計への負担が抑えられます。

2-3. メリット3:停電時に非常用電源として使える

地震や豪雨などで停電したときには、蓄電システムを非常用電源として使うことができます。蓄電システムがないと、停電時に冷蔵庫や照明が使えなかったり、スマートフォンが充電できなかったりと困ることがたくさん。高齢者や乳幼児、ペット、病人などのいるご家庭では、冷暖房が使えずに体調を崩してしまう危険性もあるでしょう。自宅に蓄電システムがあれば、停電時も必要最低限の電気が確保できるため安心です。

3. 蓄電システムを導入するデメリット

3-1. デメリット1:初期導入費用がかかる

蓄電システムを導入するにあたってネックになるのが、まとまった初期費用がかかること。ただし国や自治体としても蓄電システムの普及拡大に積極的で、補助金を活用しておトクに設置できるケースもあります。補助金制度はお住まいの地域や時期によっても変わるので、お近くのリフォーム会社や販売店に相談しましょう。

3-2. デメリット2:屋外か屋内に設置スペースが必要

蓄電システム本体のサイズは、屋内用でエアコン室外機1台分、屋外用で室外機2台分くらい。それよりも大きいスペースで、直射日光があたりにくく低温になりすぎない場所を確保しなければなりません。ポータブル式でない定置用は、一度設置すると基本的には動かさないため、邪魔にならない設置場所があるかどうか確認しましょう。

4. 蓄電システムを導入するときに押さえておきたいポイント

4-1. 消費電力に合わせた蓄電容量を確保する

蓄電システムを選ぶ際には、家庭で使う電力量にあわせた容量を確保することが大切です。「充電ゼロ→フル充電→使い切る」を1サイクルとすると、蓄電システムの寿命は6,000〜1万2,000サイクルくらいと想定されています。家庭で使う電力に対して蓄電容量が小さすぎると、充放電を繰り返して消耗が早まってしまうため、注意が必要です。

また蓄電容量が小さすぎると、停電時に必要な電力をまかなえない可能性も。緊急時に電気が使えないと、テレビで避難場所や救援物資などの情報収集ができません。また夏場は冷蔵庫が止まって食材が傷んでしまったり、エアコンが使えず熱中症の危険にさらされたりすることも。停電時にあわてないためにも、あらかじめ家庭で使いたい電力量を把握して、それに合わせた蓄電システムを導入しましょう。

4-2. 特定負荷型・全負荷型の2タイプある

蓄電システムは、特定負荷型・全負荷型の2タイプがあります。

特定負荷型:普段は家全体に給電し、停電時は特定の範囲のみに給電するタイプ。
全負荷型:すべての部屋に給電するタイプ。

冷蔵庫やテレビなど、緊急時に最低限の家電のみ使えればいい場合、低価格の特定負荷型でも問題ありません。しかし乳幼児やペットがいるご家庭や、オール電化住宅など、停電時も普段と変わらない生活を送りたいなら全負荷型がおすすめ。全負荷型だと蓄えた電力を使い切るまでが早いため、大きめの容量にするか太陽光発電と併用すると安心です。

4-3. 太陽光発電との併用を検討する

蓄電システムに発電機能はないため、停電が長引くと電力を使い切ってしまいます。例えば蓄電容量10kWhのシステムなら標準的な家電を丸一日くらい使える計算ですが、大きな災害等で停電が2日、3日と続くこともあります。長引く停電に備えるためには、太陽光発電システムとの併用を検討しましょう。

4-4. 電気自動車を蓄電池として使う方法もある

電気自動車(EV)をお持ちのご家庭であれば、EVのバッテリーを家庭用蓄電池として活用するのも一つの手。V2Hという機器を導入すれば、EVに蓄えた電力を家で使えるように変換できます。

ただし太陽光発電でつくった電気をEVに充電しようとしても、昼間は通勤で出払っていてうまく充電できないケースも多いため注意が必要。その場合は「太陽光発電+EV+蓄電池」をセットで使うのもおすすめです。太陽光発電でつくった電力を蓄電池に貯めておき、夜に帰宅したらEVに充電できるシステムもあります。

関連記事:車の電力を家でも使える!V2Hで電気代節約や災害対策をしよう

4-5. 蓄電システムに詳しい業者に相談する

家庭によって蓄電システムを導入する目的や、設置場所の条件は変わってきます。希望や環境に合わせた商品を選ばないと、せっかくのシステムを活用しきれません。

蓄電システムの導入で失敗しないためには、さまざまなメーカーや機種を取り扱っている業者に相談することが大切。蓄電システムだけでなく太陽光発電やEV、身近な家電製品まで幅広い知識をもった業者なら、日常から緊急時まで快適に暮らせるようトータルで提案してもらえます。

まとめ

光熱費を削減したいなら、蓄電システムの導入はとても効果的。地震や豪雨などの災害に備える意味でも、地球環境への配慮としても、蓄電システムはこれからの暮らしに欠かせないものになるでしょう。

蓄電システムを節約や防災にきちんと役立てるためには、単に蓄電池を買えばいいというものではありません。普段使っている電化製品や太陽光発電を把握して、それに合わせた容量やタイプの蓄電システムを選ぶことが大切です。商品を幅広く取り扱っていて、最適なシステムを提案できるリフォーム会社や販売店に相談しましょう。

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