アスベストの文字入りブロックと住宅模型

築20年以上のお家は要注意!アスベストのリスクと安全なリフォームの進め方

古い家のリフォームを検討しているものの、アスベストが心配という方も多いのではないでしょうか。アスベスト(石綿)は、古い建材に含まれている可能性があり、特に、築20年以上の住まいでは注意したい有害物質。しかし、正しい知識を持ち、信頼できる業者を選ぶことで安全にリフォームを進められます。今回はアスベストの基礎知識と、安心して依頼できるリフォーム会社の選び方をご紹介します。

1. アスベストとは?

アスベスト(石綿)は、天然の繊維状鉱物です。耐火性・断熱性・防音性に優れ、安価だったことから、かつては建築資材として広く使われてきました。アスベストを含む建材は、粉じんの飛散しやすさに応じて、レベル1からレベル3までの3段階に分類されています。

アスベストの細い繊維を吸い込むと健康を害する恐れがあるため、2006年9月以降、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するすべての物について、製造・輸入・使用が全面禁止されました。

ただし、それ以前に建てられた一般住宅では、飛散しにくいレベル3の建材が多く使用されているのが現状です。

アスベストは、天井裏や壁内部の建材が劣化していなければ、空気中に飛散するリスクは低いと言われています。しかし、建材が劣化したり、リフォームで切断・破砕したりすると、飛散リスクが高まるため注意が必要です。

2. アスベストが含まれている可能性のある建材

2006年以前(築20年以上)の建物で、アスベストが含まれている可能性のある代表的な建材を見ていきましょう。

まず屋根材では、スレート屋根やセメント瓦にアスベストが含まれている可能性があります。セメントに混ぜることで耐熱性や耐火性が高まるため、広く使われてきました。

外壁材のサイディングにもアスベストを含むものがあり、劣化や破損によって内部の繊維が飛散すると、健康被害につながる恐れがあります。また、性能向上のためにアスベストを混ぜたモルタルを吹き付けるタイプの外壁材もあります。

同様に、ビニル床タイルやクッションフロアなどの床材、配管周りの断熱材にも使われていました。さらには、キッチンのレンジフード周り、シンク周り、ユニットバスの壁材など、防火や防水が求められる場所にも使われている可能性があります。

このようにアスベストは、耐熱性・耐火性・耐水性など、家の性能を高める部分に使われてきました。見た目だけでは判断するのは難しいため、築20年以上の建物をリフォームする際は、必ず事前にアスベストの使用状況を確認しましょう。

3. リフォーム前に知っておきたいアスベスト調査

リフォームを安全に進めるための事前の備えとして、「アスベスト調査」があります。ここでは、調査が必要なケースや調査の流れ、そしてアスベストの使用が確認された場合のリフォーム工事について解説します。

3-1. 調査が必要なケースとは

2022年4月以降、建物の解体・改修を伴う工事の前には、アスベストの事前調査と、都道府県等への結果報告が法律で義務づけられました。対象となるのは、解体部分の床面積の合計が80㎡以上の工事です。

また、2006年9月以降に着工された建物は、石綿則・大気汚染防止法により、基本的にアスベストの含有はないとされています。ただし、解体を伴うリフォーム工事では、それでも事前調査が必要です。

3-2. アスベスト調査の流れ

アスベスト調査は主に、「書面調査」と「目視調査」によって行われます。

書面調査では、設計図面などの資料をもとに、アスベストの使用が疑われる場所を確認します。そのうえで、リフォーム現場での目視調査を行い、アスベストの有無を判定します。

ただし、書面や目視のみでは判断できないケースも多く、専門の分析機関に依頼して建材を分析する場合もあります。また、事前調査で含有の有無が判断できないときは、アスベストが含まれているものとみなして工事を進める必要があります。これを「みなし工事」といいます。

3-3. アスベストが含まれる場合・みなしの場合のリフォーム工事

調査によってアスベストの含有が認められた場合(または、みなしとなった場合)、危険性(発じん性)に応じて、レベル1~3の作業対策が定められています。
※発じん性とは、解体工事の際に出るアスベスト粉じんの飛び散りやすさのことです。

レベル1(発じん性が著しく高い): 石綿含有吹き付け材などが対象です。耐火建築物の梁や柱、エレベーター室、ボイラー室の天井・壁などが該当し、作業員には防塵マスクや保護衣の着用が義務づけられます。ただし、一般住宅でレベル1の素材が使われているケースはほとんどありません。

レベル2(発じん性が高い): 配管などに巻き付ける保温材や断熱材を除去する作業です。レベル1ほどではないものの、作業中にアスベストが飛び出す危険があるため、保護衣の着用が必要です。

レベル3(発じん性が比較的低い): 屋根材、外壁材、内装材などにアスベストが含まれているケースです。一般住宅のリフォーム工事の多くはこのレベル3に該当します。飛散リスクは比較的低いものの、慎重な作業が求められます。

4. 信頼できるリフォーム会社の選び方

アスベスト建材を使用した建物のリフォーム、特に撤去作業は特殊な工事になるため、専門知識を持った業者へ依頼することが大切です。ここからは、信頼できる会社を見極めるポイントをご紹介します。

4-1. アスベスト対応の実績・資格を確認する

アスベストを扱う現場では、「石綿作業主任者」や「石綿含有建材調査者」など、専門資格を持つ人の関与が必要です。資格保有者がいる会社であれば、アスベストに関する知識をもとに、適切な対応が期待できます。

資格の有無とあわせて確認したいのが、アスベスト含有建材の調査・撤去の実績です。会社の公式サイトなどに、過去の施工実績や対応事例が掲載されていれば、依頼前の参考になります。

また、リフォーム会社自身がアスベスト処理に対応しているかどうかも確認しましょう。自社で対応していない場合でも、専門業者との連携体制が整っていれば安心です。

4-2. 見積り・説明の透明性

アスベスト調査費用や対処費用について、わかりやすく説明してくれる会社を選びましょう。

アスベスト除去には、慎重かつ適切な作業が欠かせません。そのため、調査もせずに「アスベストはない」と断言したり、相談に対してあいまいな回答しかしなかったりする業者には注意が必要です。

費用については、見積書を受け取ったら、作業内容や金額の内訳がしっかり記載されているか確認しましょう。相場に比べて極端に安い料金を提示する業者は、工事後に追加料金を請求されるリスクがあります。適正価格を見極めるためにも、複数の会社から相見積りを取って比較検討するのがおすすめです。

5. アスベスト調査・リフォームで補助金は出る?

アスベストの調査には、国(国土交通省)の補助制度があり、これを受けて多くの地方自治体が独自の補助金窓口を設けています。対象となるのは、吹付けアスベストなどが使われている可能性がある住宅や建築物です。補助されるのは主に調査費用で、補助額や条件は自治体によって異なります。

また、アスベストの除去工事についても、自治体によっては補助金制度があります。対象となるのは、吹付けアスベストの除去、囲い込み、封じ込めなどの工事です。要件や金額は地域ごとに細かく異なるため、リフォーム前にお住まいの自治体へ問い合わせてみましょう。

6. まとめ

築20年以上の戸建てをリフォームする際は、建材にアスベストが含まれていないかを確認することが大切です。
アスベストの調査や除去には専門的な知識が必要であり、慎重な対応が求められます。そのため、実績や資格を持つ信頼できるリフォーム会社に依頼しましょう。
アスベストへの不安をそのままにせず、まずは信頼できるプロに相談することが、安全なリフォームの第一歩です。

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