1. 家庭用EV充電器を設置するメリット
1-1. メリット1:充電ステーションへ行く手間が省ける
商業施設や道の駅などにも充電設備はありますが、充電のために外へ出るのは面倒に感じる方も多いのではないでしょうか。家庭用EV充電器があれば、充電が必要になるたびにわざわざ外出したり、外出先で充電設備を探したりする手間を省くことができます。
1-2. メリット2:寝ている間に充電できる
また外出先の充電ステーションの場合、充電が終わるまで待たなければならない問題も。ガソリン給油のように2〜3分で終わるものでもないので、負担になることも多いでしょう。家庭用EV充電器があれば、帰宅して充電セットしたら、翌朝には充電された状態で外出できます。
1-3. メリット3:太陽光発電と相性抜群
太陽光発電の導入から10年が経過すると、固定価格買取期間が終了して、売電価格は今までよりも下がってしまいます。太陽光発電で創った電気は電力会社に売電するよりも、なるべく自宅で消費する割合を増やした方が経済的メリットは大きいでしょう。そこで役に立つのが家庭用EV充電器です。太陽光発電で創った電気を電気自動車に充電することで、車の走行コストを大きく削減できます。
2. 家庭用EV充電器の設置方法
家庭用EV充電器の設置方法は、主に「壁面取り付けタイプ」と「スタンドタイプ」の2種類に分けられます。
2-1. 壁面取り付けタイプ
家の外壁やガレージの壁などに取り付けるのが、壁面取り付けタイプ。価格が安いのがメリットです。ただし充電器を設置する建物と駐車場の距離が近くないと、充電しにくくなりますので、距離を考えた計画が必要です。
2-2. スタンドタイプ
建物と駐車場が遠い場合におすすめなのが、自立するスタンドタイプの家庭用EV充電器です。壁面取り付けタイプに比べるとコストは高めになりますが、使い勝手のよい場所に設置できます。
3. 家庭用EV充電器の種類
家庭用EV充電器はさらに「ケーブル搭載タイプ」と「コンセントタイプ」の2種類に分けられ、それぞれ使い勝手が異なります。
3-1. ケーブル搭載タイプ
本体に充電ケーブルがついているのが、ケーブル搭載タイプの家庭用EV充電器です。車載ケーブルを取り出す手間がかからず、充電コネクタを車両の充電口に差し込むだけで充電できます。ケーブルが付属している分、価格は高めです。
3-2. コンセントタイプ
本体に充電ケーブルがついていないのが、コンセントタイプ。ケーブル搭載タイプよりも安価なのがメリットです。充電するときは車のトランクなどにしまっておいた車載ケーブルを取り出して、電源プラグを充電器のコンセントに、充電コネクタを車の充電口に差し込みます。
車載ケーブルの出し入れや接続の手間を省きたいなら、車載ケーブルを収納できるキャビネットがついたコンセントタイプの充電器もおすすめです。電源プラグはコンセントに繋いだまま、充電コネクタをキャビネット内に収納できます。キャビネットに鍵をかければ、知らないうちに充電器を使われたり、車載ケーブルを盗まれたりする心配もありません。
4. 家庭用EV充電器を選ぶときのポイント
4-1. 充電器と駐車場の距離を測る
商品によっても異なりますが、充電ケーブルの長さは5〜6m程度と限られています。充電器の設置予定地と駐車場の距離を必ず測り、充電ケーブルが届くかどうか確かめましょう。車種によって充電口が車体後部にあったり前方にあったりとさまざまなので、充電口の位置も意識しながら距離を測るのがポイントです。建物と駐車場が遠くて壁面取り付けタイプだと充電ケーブルが届きそうにない場合は、スタンドタイプの充電器を検討します。
4-2. 充電器の出力が大きいほど充電スピードが速い
充電方法 | 普通充電 | V2H | ||
---|---|---|---|---|
単相100V | 単相200V | 単相200V | ||
特徴 | ・100V電源を使える ・充電時間が長い |
・200V電源の工事が必要 ・充電時間が短い |
・家に給電可能 | |
設置場所 | プライベート施設(戸建て住宅・マンション・事務所など) | |||
出力 | 3kW・6kW | 6kW |
充電 方法 |
普通充電 | V2H | ||
---|---|---|---|---|
単相100V | 単相200V | 単相200V | ||
特徴 | ・100V電源を 使える ・充電時間が 長い |
・200V電源の 工事が必要 ・充電時間が 短い |
・家に 給電可能 |
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設置 場所 |
プライベート施設 (戸建て住宅・マンション・事務所など) |
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出力 | 3kW・6kW | 6kW |
家庭用EV充電器には電圧が100Vと200Vの2種類あり、その中で3kWと6kWという2つの出力があります。(※)そのなかでもよく使われているのが、電圧200Vの3kW充電器です。同じ電圧200Vでも、6kW充電器なら3kWの約半分の時間で充電することができます。
※V=電圧:電気を押し出すパワーのこと。200Vの充電器は100Vの2倍の電圧がかかるため、一度にたくさんの電流を流すことができます。
kW=出力容量:瞬間的にどのくらいの電気を取り出せるかを表したもの。出力容量の数字が大きいほど、充電スピードが上がります。
例えば電気自動車のバッテリー容量が40kWhで、残り4kWhまで使ったと仮定しましょう。この充電器を満タンまで充電したい場合、つまり36kWhの充電にかかる時間は、それぞれ次の通りです。
【出力3kWの充電器】36kWh÷3kW=12時間
【出力6kWの充電器】36kWh÷6kW=6時間
大容量バッテリーを搭載していて、長距離運転が多い場合は、スピーディーに充電できる200V・6kWhの充電器を検討するとよいでしょう。
4-3. V2Hなら電気自動車を蓄電池としても活用できる
ここまでご紹介してきたのは車を充電することを目的とした設備ですが、より便利な暮らしをしたいならV2H(Vehicle to Home)の導入もおすすめです。
V2Hとは家からEV車への給電だけでなく、EV車から家へも給電できるシステムのこと。V2Hがあれば、EV車を大容量の蓄電池のように使うことができます。
例えば割安な深夜電力をEV車に充電しておき、昼にEV車の電気を家の中で使うといった活用方法が考えられます。災害で停電したときは、EV車を非常用電源として使えるのも大きなメリットです。
5. まとめ
家庭で電気自動車が充電できるようになると、充電スポット探しや待ち時間に悩まされず、電気自動車での生活がより快適になります。充電設備の選び方で充電スピードや設置コストも変わってくるので、まずはEV充電器について詳しいリフォーム会社に相談するのがおすすめです。購入した電気自動車のバッテリー容量や、ご自宅の状況に合わせて、最適な充電設備を提案してもらえるでしょう。