1. エコキュートの水圧が弱いと言われる理由
エコキュートとガス給湯器では、お湯を届ける仕組みが異なります。この違いがシャワーの勢いにも影響します。
エコキュートは、沸かしたお湯を貯湯タンクにためておき、必要なときに水と混ぜて適温にしながらお湯を供給する貯湯式の給湯器です。一般的な機種では、水道水を減圧弁で減圧してから貯湯タンクへ送ります。タンクを高い圧力から守るために必要な仕組みですが、水道の圧力をそのまま利用するガス給湯器と比べると、シャワーの勢いに差を感じることがあります。
特に、2階以上でお湯を使う場合は、1階に置いたタンクから高い場所へお湯を押し上げるため、さらに勢いが落ちやすくなります。そのため、2階以上に浴室・洗面所・キッチンがある住宅では、1階で使用するときよりも勢いの弱さを感じやすくなるのです。
また、複数の場所で同時にお湯を使うときにも、水圧の弱さを感じる場合があります。例えば、浴室でシャワーを使いながらキッチンでもお湯を出すと、それぞれの場所へお湯を分けて供給することになり、水圧が弱まりやすくなります。
2. 高圧タイプのエコキュートなら水圧の悩みは改善できる
エコキュート特有の水圧の悩みに対応するため、各メーカーは従来よりも給湯圧力を高めた高圧タイプのエコキュートを展開しています。シャワーの勢いはもちろん、2階以上への給湯や複数箇所での同時給湯にも配慮した商品があります。そのため、「エコキュートにしたいけれど、シャワーの勢いは落としたくない」という方も、機種選び次第で今の使用感に近い使い心地を実現できるでしょう。
ただし、高圧タイプには統一された性能基準があるわけではなく、メーカーや機種によって給湯圧力や特徴が異なります。ここからは、高圧タイプの特徴と製品ごとの違いを見ていきましょう。
2-1. 高圧タイプとは
高圧タイプとは、一般的なエコキュートより給湯圧力を高めた機種のことです。名称はメーカーによってさまざまで、「パワフル高圧」「ハイパワー給湯」「ウルトラ高圧」などと表記されています。
シャワーで頭や体をすすぐときの勢いを感じやすくなり、2階以上に浴室や洗面所がある住宅でも検討しやすくなります。複数の場所で同時にお湯を使う場合も、一般的なタイプより水圧の低下を感じにくいでしょう。
2-2. 高圧タイプにも違いがある
高圧タイプを比較するときは、給湯圧力の数値「kPa(キロパスカル)」に注目してみましょう。数値が高いほど勢いの良さが期待でき、製品によって200kPa前後から300kPaを超えるものまで幅があります。
ただし、カタログに記載された給湯圧力が高くても、実際のシャワーの勢いは給水元圧や配管の太さ・長さ、シャワーヘッドなどの条件によって変わります。数値だけで判断せず、住宅の給水・給湯環境も含めて確認が必要です。
2階以上に浴室がある、複数箇所でお湯を同時に使うことが多いなど、水圧を重視したい場合は、現在の給湯器の使用感もリフォーム会社へ伝えながら比較するのがおすすめです。
3. 高圧タイプがおすすめのご家庭
エコキュートの高圧タイプは、特に次のような家族構成・間取り・生活スタイルのご家庭におすすめです。
・シャワーの勢いを重視したい
・2階以上に浴室や洗面所がある
・家族の人数が多い
・複数箇所で同時にお湯を使うことが多い
・ガス給湯器からエコキュートへ交換する
例えば、家族の一人が浴室でシャワーを使い、同じ時間にキッチンで夕食後の洗い物にお湯を使うご家庭では、同時に複数箇所へ給湯することになります。朝も同様に、洗面所で身支度をする人とキッチンでお湯を使う人が重なれば、給湯圧力の影響を受ける可能性があります。
また、これまで水道の圧力を利用して給湯するガス給湯器を使用していた場合、エコキュートへ交換したことで水圧の違いを感じるケースがあります。現在使っている給湯器のシャワーの勢いに慣れていて、「交換後もできるだけ使用感を変えたくない」という場合は、高圧タイプを中心に比較するとよいでしょう。
反対に、家族の人数が少なく、複数箇所で同時にお湯を使う機会も少ないご家庭では、必ずしも高い給湯圧力が必要とは限りません。
高圧タイプが必要か迷ったら、現在使っている給湯器の種類や、浴室の階数、家族がお湯を同時に使う場面を整理しておきましょう。現在のシャワーの勢いに不満がない場合は、その使用感もリフォーム会社へ伝えておくと、機種選びの参考になります。
4. エコキュート選びで水圧以外に確認したいポイント
エコキュートを快適に使うためには、水圧だけでなく、家族構成や住宅条件に合った製品を選ぶ必要があります。
まず確認したいのが「貯湯タンクの容量」です。家族の人数やお湯の使用量に対してタンク容量が小さすぎると、お湯が足りなくなる可能性があります。一方で、大容量モデルは価格が高く、広い設置場所も必要になります。暮らしに合った最適な容量を選ぶことが大切です。
「給湯タイプ」の確認も欠かせません。エコキュートには、お湯張りから保温、足し湯まで自動で行う「フルオートタイプ」のほか、足し湯は手動で行う「セミオートタイプ」、シンプルにお湯張り機能のみの「給湯専用タイプ」などがあります。家族の入浴スタイルに合わせて、使いやすいタイプを選びたいところです。
「設置スペース」も重要です。エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクを設置するため、それぞれを置けるスペースや搬入経路を事前に確認する必要があります。また、気温が低くなる地域では「寒冷地仕様」、海の近くでは「耐塩害仕様」など、お住まいの地域の環境に適した製品を選ぶようにしましょう。
そのほか、「補助金」の対象となる製品かどうかに加え、メーカーや販売店の「保証内容」もチェックしておくと安心です。エコキュートは長く使用する住宅設備だからこそ、タンク容量や機能、設置条件、保証までトータルで比較することをおすすめします。
5. まとめ
ガス給湯器などからエコキュートへ交換する際、シャワーの勢いが気になる場合は「高圧タイプ」がおすすめです。ただし実際の水圧は、住宅や配管の条件によっても変わります。家族構成や間取り、ライフスタイルなどをリフォーム会社に伝え、自宅に最適な機種を相談してみましょう。