1. 窓リフォームの2種類の方法
1-1. 窓サッシ交換リフォーム
窓リフォームの1つ目の方法は、窓サッシごと交換する工事です。昔は窓サッシを交換しようとすると、壁を壊す大掛かりな工事が必要でしたが、最近は壁を壊さない「カバー工法」が主流です。既存の窓枠の上から新しい窓サッシをかぶせるという内容で、工事は1窓あたり半日程度で完了します。新しいサッシやガラスの種類によって断熱性や防犯性をアップさせたり、インテリアに合わせたデザインを選んだりすることもできます。
1-2. 内窓&ガラス交換リフォーム
さらにお手軽な2つ目の方法は、既存のサッシをそのまま使うリフォームです。ガラス部分を暑さや寒さを改善する複層ガラスや、日差しや視線をコントロールできるガラス、割れにくい防犯ガラスなど、お悩みに合わせて交換することができます。
また、今ある窓はそのまま残して、内側にもう一つ「内窓」を設置するリフォームもあります。二重窓になることで断熱性や防音性、防犯性がアップするので、寒さや騒音が気になる方におすすめです。マンションでは管理規約で既存の窓に手を加えることができない場合もありますが、内窓設置なら実施しやすいでしょう。
2. 窓リフォームの工事内容の選び方
では窓サッシの交換リフォームか、内窓&ガラス交換リフォームかを選ぶため、今のお悩みやリフォームの目的を考えてみましょう。
2-1. マンションでは事前に管理規約を確認する
マンションでは、窓サッシやガラスは外観や防火性能に関わるため、勝手にリフォームできない「共有部」に含まれていることが多くあります。管理規約によって行える窓リフォームの内容が変わってくるので、まずはどのような工事ができるか管理組合等に相談しましょう。「窓枠を壊さないカバー工法ならできる」「室内側の施工である内窓設置ならできる」など、マンションによって規約の内容はさまざまです。
2-2. 家の寒さや暑さを改善したいとき
住宅によっては、窓サッシと壁の間に小さなすきまができ、すきま風が入ってきて寒かったり、室内の暖気や冷気が逃げやすくなっていたりすることがあります。窓サッシごと新しいものに交換すると、すきま風を改善できるかもしれません。樹脂サッシなど断熱性能の高い窓を選ぶと、屋外から寒さや暑さが伝わりにくく、より快適にすごせるようになるでしょう。
また窓の断熱性を上げるには、複層ガラスへの交換、内窓をつけて二重窓にするのも一つの方法です。一年中屋外の気温の影響を受けにくく、冷暖房効率がアップするため光熱費の節約にもつながります。結露も減らせるため、冬場に毎朝窓の拭き掃除に追われているという方や、カビやダニが気になるという方にもおすすめのリフォームです。
2-3. 気になる騒音や音漏れ対策をしたいとき
隣家の話し声や車の騒音が気になる方には、内窓の設置が効果的です。二重窓にすることで、室内に入ってくる音を減らすことができます。また逆に室内から楽器の音やペットの鳴き声、子供の声を外に漏れにくくする効果も期待できるでしょう。
2-4. 空き巣やプライバシー対策をしたいとき
泥棒の侵入経路として最も多いのが窓といわれています。そのため侵入しづらい二重窓にしたり、ガラス破りに強い強化ガラスに交換したりすると防犯性アップ。隣家や道路に面した部屋は半透明の窓にすると、外からの視線を遮りながら採光をとることができます。窓の建て付けが悪かったり、鍵が閉めにくかったりする場合は、サッシの交換も検討するとよいでしょう。
3. 窓リフォームを成功させるポイント
3-1. 窓サッシの種類
窓の性能を大きく左右するのが、サッシとガラスの種類です。窓サッシは「木製サッシ>樹脂サッシ>複合サッシ>アルミサッシ」の順番で断熱性能が高く、それに比例して価格も高くなります。
樹脂サッシはアルミサッシに比べて、熱の伝わり方が1,400分の1ほどになるといわれています。価格も高くなりますが、冷暖房の効きがよくなることで光熱費節約にもつながるため、長い目で見るとお得です。
断熱性能 | 窓サッシの種類 | 特徴 |
---|---|---|
高い ¦ 低い |
木製サッシ | 最も断熱性が高いため、寒冷地などで使われる。 |
樹脂サッシ | アルミサッシより断熱性が高く、結露しにくい。 | |
複合サッシ | 室内側が樹脂、屋外側がアルミになったサッシ。 | |
アルミサッシ | コストは安いが、断熱性が低く結露しやすい。 |
断熱 性能 |
窓サッシの 種類 |
特徴 |
---|---|---|
高い ¦ 低い |
木製サッシ | 最も断熱性が高いため、寒冷地などで使われる。 |
樹脂サッシ | アルミサッシより断熱性が高く、結露しにくい。 | |
複合サッシ | 室内側が樹脂、屋外側がアルミになったサッシ。 | |
アルミサッシ | コストは安いが、断熱性が低く結露しやすい。 |
3-2. 窓ガラスの種類
窓ガラスはただの1枚ガラスではなく、複層ガラスやLow-E複層ガラス、真空ガラスなどを選ぶと断熱性能が高まります。安全性や防犯性を高めたいなら、強化ガラスや防災安全合わせガラスなども検討するとよいでしょう。
安全性 | 窓ガラスの種類 | 特徴 |
---|---|---|
高い ¦ 低い |
防災安全合わせガラス | 複層ガラスの内側に合成樹脂の中間膜を挟み、割れにくく防犯性能も高い。割れたときに破片が飛散しにくい。 |
強化ガラス | 通常のガラスの3〜5倍の強度を持ち、割れにくい。 |
安全性 | 窓ガラスの 種類 |
特徴 |
---|---|---|
高い ¦ 低い |
防災安全合わせガラス | 複層ガラスの内側に合成樹脂の中間膜を挟み、割れにくく防犯性能も高い。割れたときに破片が飛散しにくい。 |
強化ガラス | 通常のガラスの3〜5倍の強度を持ち、割れにくい。 |
断熱性能 | 窓ガラスの種類 | 特徴 |
---|---|---|
高い ¦ 低い |
真空ガラス | ガラスの間に真空層があり、通常の複層ガラスよりも断熱性能が高い。 |
Low-E複層ガラス | 複層ガラスの内側に、放射熱が屋外に漏れるのを提言する特殊な金属膜を備えて、さらに断熱性能を高めている。 | |
複層ガラス | 2枚以上のガラスの間に空気の層を挟んでおり、断熱性能が高い。 | |
単板ガラス | 従来の1枚のガラスで、断熱性能は低い。 |
断熱 性能 |
窓ガラスの 種類 |
特徴 |
---|---|---|
高い ¦ 低い |
真空ガラス | ガラスの間に真空層があり、通常の複層ガラスよりも断熱性能が高い。 |
Low-E複層ガラス | 複層ガラスの内側に、放射熱が屋外に漏れるのを提言する特殊な金属膜を備えて、さらに断熱性能を高めている。 | |
複層ガラス | 2枚以上のガラスの間に空気の層を挟んでおり、断熱性能が高い。 | |
単板ガラス | 従来の1枚のガラスで、断熱性能は低い。 |
3-3. 目的と予算に合わせた工事をする
窓リフォームは、工事の内容によって費用や工期も変わってきます。そのため「冬の寒さを改善したい」「スムーズに開閉できるようにしたい」など目的をはっきりさせることが大切です。
たとえばガラス部分のみの交換で断熱性や防音性を改善できることもありますが、サッシが古く建て付けが悪くなっているようならサッシ自体も交換したほうがよいかもしれません。まずは近隣のリフォーム会社へ相談に行き、予算と目的を伝えて、最適な工事内容を提案してもらうとよいでしょう。
4. まとめ
窓をリフォームすることで、冷暖房が効きやすくなったり、防音性や防犯性が高められたりと、住まいの快適性が上がります。窓サッシやガラスを交換したり、内窓を設置したりとリフォーム方法はさまざまなので、目的や予算に合う方法を選ぶのがポイントです。最適なリフォームを選ぶには、現状の問題点を把握したり、マンションの管理規約をチェックしたりしなければならないため、窓リフォームについて知識が豊富なリフォーム会社に相談しましょう。