モダンな和室

イ草だけではない!和室リフォームで選べるたたみの種類と特徴

たたみの日焼けや汚れが気になるとき、カビやダニが心配になったときなどに検討されるのが和室リフォーム。昔ながらのイ草たたみ以外に、和紙たたみやプラスチックたたみといった選択肢もあり、それぞれ耐久性やお手入れのしやすさが変わってきます。
今回は和室リフォームの際に知っておきたい、たたみの種類と特徴、リフォーム方法やタイミングについて解説します。

1. たたみの種類

昔ながらのたたみは、土台となる「畳床」に、天然のイ草を編み込んだ「畳表」を上からかぶせてつくられています。しかし最近はイ草だけでなく、新素材の畳表にも注目が集まっています。たとえば、こより状の和紙を樹脂でコーティングした「和紙たたみ」や、ポリプロピレンが原料の「プラスチックたたみ」など。それぞれ触り心地やお掃除のしやすさなどが変わるので、ライフスタイルに合わせて選びましょう。

2. イ草たたみのメリット・デメリット

2-1. メリット

イ草たたみならではのメリットが、イ草に含まれている芳香成分。イ草たたみを敷くと、和室いっぱいに癒される香りが広がります。

またイ草たたみには調湿性があり、ジメジメと湿度の高い日は余計な水分を吸い、乾燥した日に放出してくれます。梅雨や夏もベタつきにくく、素足で歩いたときのサラッとした心地よさも魅力です。

2-2. デメリット

イ草たたみに湿気がこもりすぎた場合は、カビやダニの原因になることがあります。日当たりや風通しが悪い部屋、使用頻度が低い部屋では、布団の敷きっぱなしや換気不足に気をつけましょう。

またイ草たたみは水分を吸い込みやすいため、飲み物や醤油などをこぼすとシミになってしまうことも。すぐに乾いた雑巾で拭き取るなど、キレイに使うにはこまめなお手入れが必要不可欠です。

新しいイ草たたみは青〜緑色ですが、日を追うごとに紫外線や照明などの影響で、だんだんと枯れた草のような黄〜茶色に変色。家具を動かすと、日が当たっていた場所と当たっていなかった場所で、くっきりとラインが目立ってしまうこともあります。

3. 和紙たたみのメリット・デメリット

3-1. メリット

和紙たたみは、細長くより合わせた和紙を編んで畳表にした商品です。特徴はカビやそれを餌にするダニが発生しにくいこと。表面が樹脂コーティングされているので水が染み込みにくく、飲み物や食べ物をこぼしたときも跡が残りにくいというメリットもあります。たたみは直接寝転がったり座ったりとお肌に触れることが多いため、衛生面やアレルギーが気になる方にもおすすめの素材です。

そして和紙たたみは、イ草に比べて日焼けによる変色を起こしにくいというメリットも。家具の配置を変えたときの変色が目立ちにくく、日当たりのよい部屋にもおすすめ。引っ掻き傷や擦り傷、ささくれもできにくいので、大きな家具のある部屋や、ペットのいるご家庭とも相性がよいでしょう。

和紙たたみはグレーやピンク、ブラウンなどさまざまな色が選べます。モダンやナチュラルな雰囲気に寄せたり、洋風なリビングとの統一感を出したりと、現代的なインテリアともコーディネートしやすいでしょう。

和紙そのものにクッション性があるため、踏み心地はイ草たたみに比較的近くなります。ある程度の調湿作用もあり、プラスチックたたみに比べて足裏のベタつき感が少なめです。

3-2. デメリット

和紙たたみのデメリットは、イ草特有の香りを楽しめないこと。イ草の香りが好きな方にとっては、物足りなく感じることがあるかもしれません。

また樹脂でコーティングされている分、イ草よりは若干手触りが硬く感じることも。手触りの違いはあまり気にならないという方もいるので、一度リフォーム会社に相談して実物に触れてみるのがおすすめです。

出典:DAIKEN 和紙畳おもて

4. プラスチックたたみのメリット・デメリット

4-1. メリット

3種類のたたみのなかで、最も耐久性が高いのがプラスチックたたみ。その名の通り、畳表がプラスチックでできています。傷や擦り切れが少なく、人の出入りが多いご家庭や、ペットがいるご家庭にもおすすめ。水分を吸収しないため、飲み物や醤油などをこぼしてもティッシュで拭き取ったり、薄めた中性洗剤を含ませた雑巾で拭き取ったりと、日々のお手入れも楽にできます。

またプラスチックにはカビやダニが喜ぶ栄養分が含まれていないため、カビやダニの心配が少ないのも大きなメリット。家族の健康にやさしく、アレルギーの方や湿気のこもりやすい部屋にもおすすめです。

プラスチックたたみもカラーバリエーションが豊富。和紙たたみとはまた色味が違った、パステルカラーやビビッドカラーなどもあり、さまざまなコーディネートを楽しめます。

4-2. デメリット

プラスチックたたみも当然、イ草の香りは楽しめません。また自然素材のイ草や和紙に比べると、少しツルツルとした質感で、冬場はやや冷たさを感じることも。水分を吸収しないため掃除は簡単ですが、他の素材に比べると梅雨時期や夏場のベタつきを感じやすいかもしれません。

プラスチックなのでイ草のような色褪せはありませんが、足裏の汚れなどで使っていくうちに黒ずんでくることも。水拭きや薄めた中性洗剤などで拭いてお手入れすると、キレイが長持ちします。

TTNコーポレーション igusa mono

出典:TTNコーポレーション igusa mono

5. たたみをリフォームする方法とタイミング

たたみが黄色く変色してきたり、歩いたときに沈む感覚があったりしたら、そろそろメンテナンスの時期。丸ごと新しいたたみに新調するだけでなく、既存の畳床を残して畳表を変える「表替え」という手軽な方法もあります。表替えで畳表をイ草から和紙たたみやプラスチックたたみに変えることもできるので、和室の掃除を楽にしたい方にもおすすめのリフォームです。

リフォーム方法 取替え目安時期
表替え:畳床は再利用して、畳表と畳縁を新しく交換する。 6〜10年
新調:畳床も含めて、丸ごと新しいたたみに交換する。 15〜20年

リフォーム方法 取替え
目安時期
表替え:畳床は再利用して、畳表と畳縁を新しく交換する。 6〜10年
新調:畳床も含めて、丸ごと新しいたたみに交換する。 15〜20年

また、たたみの色やデザインを変えることで、和室の雰囲気を変えることも。たとえば「縁ありたたみ」から「縁なしたたみ」に変更すると、和モダンな雰囲気を演出できます。正方形の「琉球たたみ」や、ベージュやグレーのような落ち着いたカラーのたたみも人気です。

出典:DAIKEN 健やかおもて 清流カクテルフィット

6. 洋室を和室にリフォームする方法

最近は洋室のみの住宅も少なくありませんが、「やっぱり落ち着いてすごせる和室がほしい」という方もいらっしゃいます。その場合は、洋室を和室にリフォームすることも可能です。

注意したいのは、フローリングとたたみでは厚さが違うということ。フローリングは厚さ約1.2〜1.5cm、たたみは厚さ約5.5〜6cmと差があるため、フローリングを剥がしてそのままたたみを敷くと、床面が4〜5cmほど高くなってしまいます。高さ調整をする場合は、やや大掛かりな工事が必要です。リビングの一角に小上がりのたたみスペースをつくる方法であれば、部屋全体の床の高さをそろえる工事をしなくて済みます。

さらに手軽なリフォームを希望される場合は、フローリングの上に置くだけの「置きたたみ」という方法も。リビングなどの一角にラグのような感覚で置きたたみを置くだけで、横になったり座ったりしてくつろぐ場所をつくることができます。

このように家にたたみを取り入れたいときには、既存の洋室や和室の状態によってさまざまなリフォーム方法があります。まずはどのようなリフォーム方法やたたみを選ぶとよいか、リフォーム会社に相談してみるのがおすすめです。

出典:DAIKENここち和座 置き敷きタイプ

7. まとめ

従来のイ草たたみでは「カビやダニが気になる」「こぼしたときのお手入れが大変」などのお悩みがあることも。しかしフローリングに変更すると冷たさを感じやすかったり硬くて気軽に寝転びにくくなったりするので、和室は残したいという方も多くいらっしゃいます。そんなときは和紙たたみやプラスチックたたみも選択肢に入れることで、たたみの良さを取り入れながら衛生面やお手入れのお悩みを解消できるかもしれません。和室リフォームを検討している方は、リフォーム会社にライフスタイルや好みを伝えて、どのような床材にするのがよいか相談してみましょう。

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