室内ドアと大容量収納の建具

玄関ドア・室内建具をリフォーム!代表的な建具の種類と選び方のポイント

玄関ドアや室内ドアに関して「最近スムーズに開閉しづらくなった」「鍵がかかりにくくなった」など不便に感じることはありませんか。建具は築20〜30年くらいたつと、建て付けの悪さや見た目の古さが気になってくるもの。新しい建具にリフォームすることで見た目がおしゃれになったり、防犯性や断熱性を高めることができます。建具と一口にいってもさまざまな種類があるため、今回は建具の種類や選び方のポイントを解説します。

1. 建具の開閉形式は主に3種類

一般的な住宅でよく使われる建具は「開き戸・引き戸・折れ戸」の3種類。建具をリフォームする場合、今お使いのドアと同じ種類を選ぶことが多くありますが、場合によっては別の種類に変えることで使い勝手がぐんとアップすることもあります。使用する場所や目的に合わせて、適切な建具の種類を選ぶことが大切です。

1-1. 開き戸

開き戸は蝶番(ちょうつがい・ちょうばん)を軸にして、前後に押したり引いたりして開閉するドアのこと。シンプルな構造で設置コストが安く、玄関ドアとしても室内ドアとしても最もよく使われています。気密性や遮音性が高い商品もあるため、静かにすごしたい寝室や書斎などにも向いています。

開き戸の注意点は、扉の大きさの分だけ開閉スペースが必要なので、そのスペースには何も置けないこと。また、人が来たことに気づかず開けてしまうとぶつかる危険もあるので、開く向きに気をつけて設置するのが失敗しないポイントです。廊下や階段付近の部屋に開き戸を設置するときには、人にドアがぶつかってしまわないよう、内開きにするとよいでしょう。

1-2. 引き戸

引き戸は左右にスライドして開閉するタイプのドアのこと。前後にスペースがいらないので、お部屋を広く使うことができます。開閉時に前後の移動がいらないので、足腰に不安のある方や車椅子での使用でも安心。扉を閉める時に手をはさまないよう、閉まる直前にブレーキがかかるソフトクローズ機構がついた商品もあります。

また、引き戸は開きっぱなしでも扉自体が邪魔にならないのも大きなメリット。そのためリビングと隣室などの間仕切りとしてもよく使われます。広く使いたいときや風を通したいときには扉を開け、区切って使いたいときには扉を閉めることで、お部屋を用途に合わせてフレキシブルに使うことができます。

引き戸は開閉方法によって、「片引き戸・引き違い戸・引込み戸」の3種類に分けられます。用途や動線に合わせて、適した開閉方法の引き戸を選びましょう。

引き戸の種類

片引き戸 左右どちらかに扉をスライドさせるタイプ。シンプルな形で最もよく使われている。2〜3枚の扉が連動して動く商品もある。
引違い戸 2枚以上の扉を、左右どちらにも動かせるタイプ。どちらからでも出入りできるので、レイアウトの自由度が高い。
引込み戸 壁の内部に扉を入れられる「戸袋」をつくり、スライドした扉がそのスペースに隠れるタイプ。見た目がすっきりするが、戸袋の改修工事が必要なため費用が高くなる可能性も。

片引き戸 左右どちらかに扉をスライドさせるタイプ。シンプルな形で最もよく使われている。2〜3枚の扉が連動して動く商品もある。
引違い戸 2枚以上の扉を、左右どちらにも動かせるタイプ。どちらからでも出入りできるので、レイアウトの自由度が高い。
引込み戸 壁の内部に扉を入れられる「戸袋」をつくり、スライドした扉がそのスペースに隠れるタイプ。見た目がすっきりするが、戸袋の改修工事が必要なため費用が高くなる可能性も。

1-3. 折れ戸

折れ戸は開くときに扉が折れ曲がるタイプのドアのこと。開き戸に比べて前後の開閉スペースが少なくて済むので、クローゼットや浴室、廊下などの狭い場所でよく使われます。

折れ戸の注意点は、小さいお子さんには扱いにくく、指を挟んでしまう危険があること。また開いたときに折り畳まれた扉の厚さの分、左右の開口部が狭くなります。扉と干渉せず物を出し入れできるように、収納内部の物の置き方を工夫することが必要です。

2. 建具の選び方のポイントを場所別に紹介

2-1. 玄関ドア

玄関ドアの色やデザインで、お家の外観の印象は大きく変わります。来客時や帰宅時によく目に入る部分なので、全体の雰囲気に合わせたデザインの玄関ドアを選ぶとよいでしょう。

玄関ドアでオーソドックスなのは開き戸ですが、バリアフリー仕様にしたいなら引き戸もおすすめ。お子さんや高齢の方も軽い力で開閉でき、ドアを開けたままで荷物を出し入れしたり、車椅子で出入りしたりするのにも便利です。

冬場の玄関や廊下の寒さが気になるなら、断熱性の高い玄関ドアに交換を。暗い玄関では、ガラス窓から採光がとれる玄関ドアを選ぶと明るくなります。玄関にこもるニオイが気になるなら、採風機能がついたドアもおすすめ。扉や鍵を閉めたまま換気できるので、防犯性も気にならず、虫が入ってくる心配もありません。

玄関ドアを選ぶときは防犯性も重要。最近は2個鍵がついた「ツーロックタイプ」が主流です。鍵のピッキングに2倍の時間がかかるため、空き巣に狙われにくくなります。鍵の閉め忘れが気になるなら、自動で施錠されるオートロック機能がついた玄関ドアも。カバンにカードキーやリモコンを入れて近づくと自動で解錠するタイプなら、両手がふさがっているときにカバンから鍵を探さなくても解錠できます。

2-2. 洋室用の室内建具

リビングや寝室、子供部屋などの室内ドアは、お部屋のインテリアスタイルに合わせて選びましょう。ナチュラルな雰囲気にしたいなら木目柄の建具、可愛らしい子供部屋にはカラフルな建具といったように、さまざまなデザインから選ぶことができます。扉の上部に小さな明かりとりの窓がついたタイプなら、廊下側から洗面所やトイレの電気がついているか判断することもできます。

一般的なドアは約2mの高さで、ドアの上には垂れ壁がある状態。さらにお部屋をスタイリッシュに見せたいなら、床から天井いっぱいまで高さのある「ハイドア」へのリフォームもおすすめです。天井とドアのラインをそろえることで、すっきりと洗練された印象になります。

2-3. 水まわり用の室内建具

洗面所やトイレの開き戸は、内開きだと室内が狭くなり、外開きだと廊下を歩く人にぶつかってしまうことがあります。また、特にトイレの場合は、室内で倒れるようなことがあった場合にドアが開かなくなってしまうこともあります。コンパクトに開閉できる引き戸や折れ戸に交換すると狭いスペースでも動きやすくなり、ドアを開けっぱなしにしても邪魔になりません。

浴室やトイレの入り口を引き戸にリフォームすれば、高齢者でも使いやすいバリアフリーな水まわりに。車椅子を使われる場合は、出入りしやすいよう開口部の幅を広げるとよいでしょう。浴室と洗面所の間には段差がある場合が多いので、段差も解消しておくと転倒やケガを防ぐことができます。バリアフリーリフォームには介護保険や補助金が使えるケースもあるので、お近くのリフォーム店に相談しましょう。

2-4. 間仕切り用の室内建具

建具は出入り口としてだけではなく、空間を自由に仕切ることのできる間仕切開閉壁としても活用できます。たとえばリビングの一角を引き戸で仕切って、集中して作業できる書斎スペースや、プライベートな寝室に。大勢ですごすときなどには、間仕切開閉壁を開けて部屋をつなげて、広いLDKとして使うこともできます。

扉の種類によっては、フルオープンにできる商品も。戸袋に扉を隠せる引込みタイプや、扉を片側の壁に寄せてほぼ全開にできるタイプなど、さまざまな種類があります。頻繁に開閉するなら、軽い力で動かせるものがよいでしょう。

透明や半透明の間仕切り扉なら、閉めたときも採光がとれて明るいお部屋に。下にレールのない上吊りタイプの引き戸を選ぶと、床面に段差がなくすっきりとした見た目になります。

2-5. 収納用の室内建具

クローゼットの建具としてよく選ばれるのが、省スペースで開閉できる折れ戸です。全開にすると、収納全体を一目で見渡すことができます。

手前にベッドがある場所など、さらにコンパクトに開閉したいなら引き戸も検討されるとよいでしょう。引き戸の収納というと押し入れのようなイメージがあるかもしれませんが、最近はスタイリッシュな建具も増えており、インテリアに合わせて選ぶことができます。

開き戸の収納は、開口幅が広くとれるので物の出し入れがスムーズです。ただし扉のサイズが大きいと、開くときに前後に広いスペースが必要に。玄関収納や廊下のデッドスペースの収納、キッチンのパントリーなど、幅の狭い収納に向いています。

収納建具の色やデザインは、お部屋の雰囲気に大きく影響するもの。フローリングや家具、壁紙の色に合わせることで、インテリアに統一感が生まれます。

3. まとめ

建具リフォームではデザインを一新できるのはもちろん、お子さんや高齢者も開閉しやすくしたり、間仕切り扉にしてお部屋の使い方を変化させたりと、使い勝手をよくすることもできます。「古いドアが使いづらくなってきた」「生活スタイルに合わせて建具や間取りを変えたい」などお悩みのある方は、建具リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

建具にはさまざまな開閉方式やデザインがあって、選ぶのはなかなか大変です。建具選びを間違えると、人が歩く動線を邪魔してしまったり、扉の開閉がしづらくなってしまったりすることもあります。まずはお近くのリフォーム会社に相談して、どのような建具を選ぶといいかアドバイスをもらうのが成功の秘訣です。

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