窓の種類

窓ガラス選びでこんなに変わる!窓リフォームのヒント

夏に暑く、冬に寒い家。その大きな原因の一つが、窓の断熱性能の低さです。内窓やカバー工法などの窓リフォームをすることで「窓からひんやりとした空気が漂ってくる」「冷暖房の効きが悪い」などの悩みを解決できるかもしれません。新しい窓を選ぶときに大切なのが、ガラスの種類です。ガラスによって断熱効果は大きく変わってくるので、求める効果や窓の方角に合わせて選びましょう。

1. 窓ガラスの種類によって断熱性能が変わる

窓ガラスを選ぶときにチェックしたいのが、熱貫流率や日射熱取得率。この値によって、冬や夏の過ごしやすさが変わってきます。

熱貫流率は、熱の伝えやすさを表す数値。熱貫流率の数値が低いほど断熱性能が高く、冬は暖房のぬくもりを外に逃さず、夏は外から入ってくる暑さを抑えることができます。

日射熱取得率は、室内に日差しがどのくらい入ってきやすいかを表す数値。日射熱取得率の数値が小さいほど日差しが侵入しにくく、遮熱性能が高いことがわかります。

次表のように、熱貫流率や日射熱取得率は、ガラスの種類や厚さによって変わります。

ガラスの種類 熱貫流率 断熱性能 日射熱取得率 遮熱性能
Low-E複層ガラス
(グリーン/遮熱タイプ)
1.6 W/m2・K


39%


Low-E複層ガラス
(クリア/断熱タイプ)
1.7 W/m2・K 58%
一般複層ガラス 2.9W/m2・K 80%
単板ガラス 6.0 W/m2・K 88%

ガラスの種類 熱貫流率 断熱性能
Low-E複層ガラス
(グリーン/遮熱タイプ)
1.6 W/m2・K


Low-E複層ガラス
(クリア/断熱タイプ)
1.7 W/m2・K
一般複層ガラス 2.9W/m2・K
単板ガラス 6.0 W/m2・K
ガラスの種類 日射熱取得率 遮熱性能
Low-E複層ガラス
(グリーン/遮熱タイプ)
39%


Low-E複層ガラス
(クリア/断熱タイプ)
58%
一般複層ガラス 80%
単板ガラス 88%

出典:LIXIL
※フロートガラス3mm(FL3)、空気層12mm、Low-Eガラス3mm(Low-E3)の場合。熱貫流率はJIS R3107の条件に基づき求めた窓ガラスの中央部の値。日射熱取得率はJIS R3106の夏季の条件に基づき求めた値。

1-1. 単板ガラス

以前は住宅で主流だった単板ガラス。外から寒さや暑さが伝わってきやすい、1枚の板ガラスで構成されたガラスです。窓に近づくと冷やっとした寒さを感じたり、外との温度差で結露ができやすかったりと、悩みの種になりがちです。

1-2. 一般複層ガラス

単板ガラスの約2倍の断熱効果を発揮するのが、2枚のガラスで構成された一般複層ガラス。2枚のガラスの間に空気層があり、熱を伝わりにくくしています。また空気層ではなく、アルゴンガスや真空層にすると、さらに断熱性能が高まります。

1-3. Low-E複層ガラス

一般複層ガラスより、さらに断熱効果が高まるのはLow-E複層ガラス。ガラスの内側に熱を反射する特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングすることで、室内の熱を逃しにくく、外からの太陽熱を適度に遮ることができます。

Low-E複層ガラスには、断熱タイプと遮熱タイプの2種類があります。
・断熱タイプ:断熱+太陽の暖かさをほどよく取り込む
・遮熱タイプ:断熱+強い日差しをカットする

日の当たりにくさや寒さが気になる窓は断熱タイプ、夏の強い日差しや西日が気になる窓は遮熱タイプがよく選ばれます。うまく使い分けることで、効率よく暖かさや涼しさを保ち、冷暖房効率もアップするでしょう。

2. 窓の方角に合わせてガラスを選ぶ

東西南北どの向きの窓かによって、日の当たる時間や日差しの強さは大きく変わります。窓の方角に合わせてガラスを使い分けることで、より快適性がアップするでしょう。

2-1. 南向きの窓

部屋の南面には、明るく光を取り込める大きな窓がよくつくられます。冬にはポカポカとした熱を取り込み、夏は涼しく過ごすため、遮熱と断熱のバランスがよい窓ガラスを選びましょう。夏になると強い日差しが差し込んできて暑いという場合は、窓の外に日除けのシェードを設置するリフォームもおすすめです。

2-2. 北向きの窓

北向きの部屋には太陽の光が入ってきにくいため、小さい窓をつくることが多いでしょう。日差し対策は必要ないため、寒さや結露対策を優先して断熱タイプの窓ガラスがよく選ばれます。

2-3. 東向きの窓

東向きの窓から朝日をたっぷり取り込むと、明るく心地いい部屋になります。ただし夏の日差しで暑くなることもあるので、基本的には遮熱タイプの窓ガラスを選ぶことが多いでしょう。冬の寒さが気になる場合は断熱タイプで温もりを保ちつつ、シェードを組み合わせて夏の日差しを遮る方法もあります。

2-4. 西向きの窓

夕方の西日は眩しく、低い位置から長時間西日が当たることで夏の室温も上がりやすいです。西向きの窓は遮熱タイプのガラスを選ぶと、強い日差しをカットできて快適に過ごせます。

3. 窓の性能を上げるリフォーム方法

窓の断熱・遮熱性能を上げて、快適な住まいをつくるには、次のようなリフォーム方法があります。

3-1. 内窓設置

今ある窓はそのまま残して、内側に高断熱の窓をプラスすることで、断熱・遮音・防犯効果を高めるリフォームです。マンションでは窓サッシは共用部に該当するため交換できない場合が多いですが、内窓であれば専有部に含まれるためほとんどの場合設置の許可が得られるでしょう。

注意したいのは、窓が二重になって開閉に手間がかかること。ベランダの掃き出し窓に内窓をつけると、外へ出るのに2回窓を開けなければならないため、面倒に感じるかもしれません。

3-2. カバー工法

現在お使いの窓ガラスを取り外し、今ある窓枠の上から新たな窓枠を覆いかぶせるリフォームです。高断熱のサッシやガラスを選ぶことで、暑さや寒さ、光熱費のお悩みを解消します。窓は1枚になるため、内窓のように開閉や掃除の手間が増えることはありません。

注意点は、今の枠に追加で枠をつけるため、窓のサイズが若干小さくなること。またマンションの外観に関わるリフォームなので、管理規約によっては実施できなかったり現状復帰を求められたりする可能性もあります。リフォーム前によく確認しましょう。

4. まとめ

窓は家の中で一番熱の出入りが激しく、リフォームの効果もでやすい場所です。寒い季節は室内の暖かい空気をなるべく逃さず、暑い季節は外からの熱をできるだけカットすることで、冷暖房が効きやすくなり光熱費ダウンにもつながります。窓を高断熱化するリフォームには補助金が使えることも多いので、賢く活用されるのがおすすめです。まずはリフォーム会社に相談して、おすすめのリフォーム方法や使える補助金などアドバイスをもらってみてください。

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